2018年度斎藤ゼミ U16 活動報告書

 

 

名:演習 I, II

担当者:斎藤彦教授

 

 

はじめに

    2018年度において、斎藤ゼミのU16生である私達は、国際協力についての学びを深める中で、特にフェアトレードに焦点を当てて様々な学習や活動を行ってきました。その中で、2年次までに養ってきた、倫理や歴史といった領域からの考察力を活かし、また、伸ばしながら、様々な課外活動を行いました。さらに、それらの課外活動に加え、国際協力の分野だけでなく経済や歴史についての文献や資料を活用したり、討論を行うことで、知識を深めてきました。以下は、2018 年斎藤ゼミ U16 の活動や学習内容をまとめた活動報告書です。

 

演習 I における活動内容

    演習Ⅰにおいては、実際に国際協力における問題点を見つめ直したうえで、ビジネスが持つ力に焦点当てて活動を行いました。その中でも特に私達が注目し、考察を深めたビジネスがフェアトレードです。フェアトレードについて学びを深めていく際に、実際に様々なフェアトレードのイベントに参加したり、フェアトレードを行っている企業を訪れ、直接自らの目で現場を見て、お話をうかがいました。

    具体的な活動内容としては、4月には垂井町で行われたフェアトレードイベントへ、5月には関西食べる通信EXPO、6月にはフェアトレードを行っている企業の一つである、シサム工房に足を運びました。垂井町で行われたフェアトレードイベントでは、フェアトレードに携わっていらっしゃる方々の思いを知り、フェアトレードが抱える難しさを初めて目の当たりにしました。そして、関西食べる通信EXPOでは、生産者と消費者の関係性について改めて考えさせられました。普段、国際協力や貧困、フェアトレードと言うと、どうしても国外のことにばかり注目してしまっていましたが、国内で起こっている食に関する問題についても、知り、考え、見つめ直す事ができ、自分たちの責任や行動についても考えるきっかけになりました。また、シサム工房では、実際にフェアトレードを行っている企業が、どのように生産者の方々や消費者にアプローチしており、フェアトレードを促進するためにどのような戦略を行っているのかを知ることができ、新たな刺激を受けました。そして、6月には、斎藤ゼミの卒業生の方で、NGOやフェアトレードに携わっていらっしゃる方々に、お話を伺う機会もありました。身近な人からお話を伺うことで、今の私達にできることや、私達の将来について考える機会になりました。演習Ⅰにおける学びを通して、私達の身近に存在する問題に目を向けることの大切さを学び、夏休みには、京都府左京区に位置する久多という過疎地域を訪れ、食や自然がいかに私達にとって大切なものなのかを、肌で感じ、考えることができました。

   これらの活動に加え、国際協力について学ぶ上で必要な、経済やHuman Developmentに関する資料や文献も読み、ゼミのメンバーとも話し合うことで、新たな知識を学び、その知識を深める活動も行いました。

 

 

演習 II における活動内容

    演習Ⅱにおいては、演習Ⅰで学んだことや疑問に思ったこと、または、自らのフェアトレードに関する考えを深めるために様々な活動を行いました。

    具合的な活動としては、11月には龍谷大学の学園祭においてフェアトレードのはちみつを使ったレモネードの模擬店を出店し、12月の半ばには、よりフェアトレードについて考え、知識を深めるために、立命館大学の学生の方々との交流会を行いました。また、12月の末にはフェアトレードタウンである台北を訪れ、台北がフェアトレードタウンとして認証されるまでの経緯についてのお話をうかがったり、フェアトレードを行っている様々なお店にも伺わせていただきました。学園祭における模擬店の出店にあたり、フェアトレード商品を扱うからこその費用面での難しさや、お客様へのアポローチ方法に悩まされることが多々ありました。しかし、演習Ⅰにおいて様々なイベントや企業を訪問し、経営者の方々に教えていただいた、フェアトレードの意義や難しさを、より身近に、また実際に自分たちの問題として考えるための、とても貴重な機会となりました。そして立命館大学の学生の方々との交流会においては、今まで考えたことのなかったような視点から、フェアトレードに対する意見や現状について知り、討論することができ、とても良い刺激を受けました。そして、台北訪問では、フェアトレードを促進するためには、どのような要素が必要で、私達は何をしなければならないのか、ということを、実際にフェアトレードタウンとして認証された台北の成功例から学ぶ機会となりました。

    これらの活動に加え、演習Ⅰに引き続き、国際協力について学ぶ上で大事な、歴史に関する文献や、Human Developmentに関する資料を読み、知識を深め、自分たちの国際協力に関する考えを深めました。

     また2月現在の活動としては、3月に控えているYou challengers 発表と卒業論文に取り組んでいます。

 

まとめ

     上記で記述しているように、演習Ⅰでは主に、国際協力について考える際の1つの着眼点として、フェアトレードというソーシャルビジネスに関する知識や考えを深め、さらに、フェアトレードを通して国際協力について考察をしました。そして、演習Ⅱにおいては、演習Ⅰで学んだことを、ただお話を聞き考えるだけで終わらせるのではなく、私達なりに、学園祭の模擬店という形で、実際にフェアトレードと関わってみたり、他大学の学生と交流会をしたり、台北に足を運びお話を聞くことで、新たな刺激を受け、さらに自分たちの考えを深めました。今後も、より多くの知識を身につけ、討論や様々な活動を通して考えを深め、卒業論文に向けてゼミ活動を行っていく予定です。以上で 2018 年 度斎藤ゼミ U16 の活動報告を終わります。

 

参考文献

演習Ⅰ

西川,2014)『新・世界経済入門』岩波新書

Selim. J, (2016), Human Development Report 2016, UNDP.

 

演習Ⅱ

木畑(2014)『20世紀の歴史』岩波新書

Séverine. D, (2009), An Introduction to the Human Development and Capability Approach, Earthscan.