2019年度斎藤ゼミU17生活動報告書

 

科目名:演習Ⅰ,Ⅱ

 

はじめに

  2019年度において、斎藤ゼミのU17生である私達は、持続可能な開発についての学びを深める中で、特に、エネルギー問題・地域活性化に焦点を当てて様々な学習や活動を行ってきました。その中で、2年次までに養ってきた、倫理や歴史といった領域からの考察力を活かし、また、伸ばしながら、様々な課外活動を行いました。さらに、それらの課外活動に加え、国際協力の分野だけでなく経済や歴史についての文献や資料を活用したり、討論を行ったりすることで、知識を深めてきました。以下は、2019年斎藤ゼミ U17 の活動や学習内容をまとめた活動報告書です。

 

演習における活動内容

演習においては、持続可能な社会をテーマに、SDGsに基づいて先進国、発展途上国問わず今後の発展がどうあるべきなのかに焦点を当てて活動を行いました。その中でも、特に再生可能エネルギーに注目し、持続可能な社会についての理解を深めました。主に本や論文などを活用して、持続可能な社会とは何なのか、再生可能エネルギーが今後の発展にどう関係していくのか考えました。

 まず、「2030年未来への選択」という西川潤さんが書かれた本を読み、今後世界がどうなるのか、私たちがどのような選択をする必要があるのか考えました。筆者は、世界的に社会問題と環境問題が国際社会的に取り組むべき2つの大きな目標と考え、この両者は相関関係にあると述べています。そこで、私たちのゼミでは、その両者に深く関係しているエネルギーに着目し、特に再生可能エネルギーについて考えることにしました。

そのため、次にMatthias Gross and Rüdiger Mautzによって書かれた「Renewable Energies」の本で再生可能エネルギーについての理解を深めました。これまで21世紀の社会の発展に欠かすことのできなかった石炭、石油、ガスなどのエネルギーですが、これらには限りがあり永遠に供給を続けることは難しいです。また、これらのエネルギーは現在深刻な問題である地球温暖化などの気候変動の原因でもあります。これらの理解をゼミ全体で深めていく中で、環境に負荷をかけることなく世界が将来にわたり持続的に発展するためには再生可能エネルギーが必要なものであると再認識しました。

これらの活動に加え、東日本大震災による福島第一原発事故の被害に遭われた方のお話やフェアトレードを行っているDari-Kの方のお話、国際協力を行われているNGOアクセスの方のお話を聞き、そしてHuman Development Report 2016を読み、様々な視点から現在の世界・日本の状況を知り、今後の発展がどうあるべきなのかゼミのメンバーで考えました。

 

演習における活動内容

演習Ⅱでは夏期休暇中に行った岐阜県郡上市石徹白でのゼミ合宿で得た経験や知識を通して、再生可能エネルギーについてより深く考えていくことになりました。それと並行して、自分たちの卒論・ゼミ論テーマを固めていくという作業も同時に行っていきました。

再生可能エネルギーについては、授業外で様々な施設を訪問させていただきました。12月には認定NPO法人きょうとグリーンファンド、1月には吉川商店、そして2月には東近江市にあるあいとうふくしモール、滋賀県平和祈念館、愛のまちエコ倶楽部事務局の3箇所を訪問しました。どの施設もそれぞれ形やビジネスモデルは違うけれども、再生可能エネルギー・持続可能社会について真剣に取り組んでいることが、お話や施設見学を通して伝わりました。

授業内では卒論。ゼミ論に関する話をすることが多かったです。12月に4回生の方々の卒業論文発表を聞き、多くのアイデアを吸収することができました。その発表も通して、1月には私達も自身の研究計画をプレゼンテーションし、また斎藤先生からのフィードバックもいただき内容を詰めることができました。1月末には仮卒論・ゼミ論として提出をし、研究テーマをかなり早い段階で固めることができたように思います。後期になりYou, Challengerプロジェクトの活動が本格的に始まり、発表者を決め、発表テーマの決定のためにディスカッションをすることもありました。ゲストによる講演で人を惹きつけるプレゼンテーションとは何か、を学ぶ機会もありました。今現在37日の本番に向けて頑張っているところです。

 

まとめ

上記で記述しているように、演習では主に、持続可能な社会について、また特に再生可能エネルギーについての知識や考えを深め、さらに、持続可能な社会を実現するために再生可能エネルギー以外の様々な視点から持続可能な社会について考察しました。そして、演習においては、演習で深めた持続可能な社会および再生可能エネルギーの取り組みを実際に実施されている地域や企業を訪れ、お話を聞きました。また、自分たちの研究テーマを固めていく時期でもありました。これらの活動を通して、世界が将来にわたり持続的に発展するためには、いかに再生可能エネルギーが大切であるのかを知り、同時に持続可能な社会を実現することがいかに難しいのか実感しました。1人1人が自分の行動に責任を持ち、小さなことでも行動することが重要です。今後も、ゼミ活動の中で知識を身につけ、私たちにできることを考え、卒業論文に向けて活動を行っていく予定です。

 

参考文献

西川潤 (2018),2030年 未来への選択』日本経済新聞出版社

Matthias Gross and Rüdiger Mautz (2015), Renewable Energies, Routledge

Selim. J, (2016), Human Development Report 2016, UNDP.