国際学部 多文化共生トークセッション [龍谷共と。]

2015年4月、国際文化学部をキャンパス移転・改組し、新たに国際学部を設置

2015年4月、龍谷大学は、多文化共生をキーワードに国際文化学部を、国際都市・京都の深草キャンパスへ移転します。これを記念し、多文化共生を実践するゲストを迎えて、国際文化学部教員(国際学部就任予定教員)とのトークセッションを開催。
グローバル化する社会の未来を切り拓きます。

国際学部 多文化共生トークセッション [龍谷共と。]

第1回テーマ スポーツを通じた国際的な出会いと多文化共生

世界中で行われる様々なスポーツの現場は、多くの国際的交流が生まれます。「多文化共生」を実践している方だからこそ見えてくる、国際社会の未来を語ります。

日時 : 2014年3月1日(土) 会場 : 龍谷大学大阪梅田キャンパス

ゲストプロフィール

野口 忍 氏

トレック・ジャパン株式会社 マーケティング統括野口 忍 マウンテンバイク・クロスカントリー競技にてアジア選手権優勝、全日本選手権優勝など数々の大会で勝利を収める。引退後、アメリカNo1スポーツバイクブランド「トレック」の広報として、スポーツ自転車の素晴らしさを普及。

大内 寛文 氏

龍谷大学ラグビー部監督大内 寛文 1990年に行われた韓国戦でラグビー日本代表選手として初キャップを刻み、以後通算5キャップを獲得。龍谷大 学短期大学部を卒業後、リコーに復帰。2012年4月から龍谷大学ラグビー部監督に就任。

龍谷大学国際学部登壇者
ポーリン・ケント教授国際文化学部長ポーリン・ケント教授
チャプル・ジュリアン准教授チャプル・
ジュリアン
准教授

トークセッションダイジェストムービー

3月1日に開催された龍谷大学国際文化学部"多文化共生"トークセッション第2回「スポーツを通じた国際的な出会いと多文化共生」ダイジェストムービーです。
全ての内容をご覧になりたい方は、こちらからご覧ください。

https://www.youtube.com/watch?v=DoY0qTUM0sY

トークセッション まとめ記事トークセッション まとめ記事

スポーツを通じた国際的な出会いや体験

野口 忍氏

野口 忍氏の体験談アメリカ留学と海外遠征

15歳の時にアメリカへ語学留学したのですが、そもそも学校の教育システムが全く違うのに驚きました。大学みたいに必修科目と選択科目があり、10代という若い時期から自分の方向性が決めていけます。それに学生が積極的ですね。その後、競技者として様々な国へ行きましたが、留学経験のおかげで抵抗はありませんでした。特に印象に残っているのがオーストラリア。自転車競技が盛んな国で、週末はプロ・アマ・老若男女を問わない大集団でライドするし、平日にはアマチュアレースもおこなわれています。日本では考えられないような自転車文化が羨ましかったですね。

大内 寛文監督

大内 寛文監督の体験談ラグビー文化の違い

日本と海外のラグビーでは練習の自己管理が違います。日本ならオフは練習を休むものですが、ニュージーランドでは選手各自が必要に応じてコンディションを調整している。そして全体練習で最高のパフォーマンスをしてAチーム入りをアピールするわけです。ラグビーは特にイギリスと関係の深い国に根付いており、トンガ・サモア・フィジー等の島では砂浜や原っぱで、男女年齢問わず裸足でラグビーをしています。また、ニュージーランド人は自分達の周りからオールバックスの選手を出しているのを大いに誇りにしていますね。

ポーリン・ケント教授

ポーリン・ケント教授の体験談ノープロブレム!なオーストラリア

私の故郷のオーストラリアでは、海や自宅のプールで、それこそ赤ちゃんの頃から水泳を始めます。いろんなスポーツをする機会も多いし、皆でプレイを楽しんだ後のおしゃべりは欠かせません。日本は規則が多く何でも枠が決められて、なんとなく縛られているように感じますね。新しい事を始める時も、まず問題点から出してくる。これがオーストラリアなら「ノープロブレム!ドントウォーリー!」。でも、そんな決められた中で優しさや思いやりを発揮するのが日本人のいいところ。住みやすいし非常に便利な社会。外国人にも優しいですね。

チャプル・ジュリアン准教授

チャプル・ジュリアン准教授の体験談日本は「速さ」、ニュージーランドは「自由」

日本で教鞭をとっていましたが、今は故郷ニュージーランドに戻っています。日本にもニュージーランドにもいいところはたくさんありますね。あえて言うなら日本は仕事の速さ。何でも決められた時間にきちんとやる。ニュージーランドは自由さですね。恰好にとらわれず、自分の生活を自由に楽しめます。ニュージーランドではラグビーはスポーツというより宗教のようなもの。競技はしませんが僕も大好きです。

スカイプのようす

※チャプル・ジュリアン准教授はニュージーランドからスカイプで参加しました。

世界で活躍するために必要なこと

野口 忍氏

野口 忍氏の回答積極性を持って自ら道を切り拓く。

日本人の良いところは控えめであったり協調性があったりするところです。しかし、人生では自らチャンスを作ることも必要。その点、グローバルに活躍されている外国の方はアグレッシブですよね。今、日本人アスリートは世界中で活躍していますが、彼らも用意されている道を通ってきたわけではありません。しっかり目標を見据え、何をするべきか考え、自ら道を切り拓いてステップアップしたのです。アスリートでなくとも海外に行ったら、スポーツは良いコミュニケーションツールになります。スポーツ以外にも、自分が得意で語れることが1つあれば強みになると思いますね。

大内 寛文監督

大内 寛文監督の回答順応性・目的を見失わない・脱「一生勉強」

海外は文化も宗教もゲーム戦術もありとあらゆるものが違う。その中で自分を発揮するためには、受け入れて順応していくことが大事です。また、何のためにここにいるのかを見失うと、留学も仕事も日本人で固まって「おもしろかった」で終わってしまう。なぜ、日本を離れてがんばっているのか、最初の目的を絶対に忘れないこと。そして、ここぞという時には「日本人ですから…」としり込みせず、勉強してきたことを発揮しましょう。時には脱・「一生勉強」の気持ちで力を試すことも必要です。その国を好きになって雰囲気に馴染むことも大きなポイントですね。

ポーリン・ケント教授

ポーリン・ケント教授の回答Challenge!

とにかく何でもやってみて。やってみれば「出来た!次に行こう」となってきますし、今まで勉強してきたことの意味がわかってくる。やる前から問題点ばかり挙げつらねるのではなく、できるかどうか、まずはChallengeしてみましょう。これは今、国際文化学部のキーワードにもなっています。よく「自分を変えたいから留学したい」という学生がいますが、海外に行ったからといって人間は変わりません。むしろ海外にいても「自分のままでいること」が大切なのです。目的を持ち、積極的に自分らしくChallengeしてほしいですね。

チャプル・ジュリアン准教授

チャプル・ジュリアン准教授の回答海外で「デキる自分」に気付く

日本人はデキる方が多いのに、それに気付いていない方が多いように思います。そんな方が海外に行けば「自分は思っていたよりデキる」となってくるのではないでしょうか。あと、外国といってもみんなが英語を話すわけではありません。たとえ、自分の英語が完璧でなくても「通じる」と思って行動するのが一番。お互いが聞く耳を持って接すれば、何とか通じ合えるものです。

グローバルに活躍したい若者への応援メッセージ

チャプル・ジュリアン准教授

チャプル・ジュリアン准教授のメッセージ日本人らしさを忘れず柔軟な対応を。

計画がないと夢は夢で終わってしまいます。まずは実際的な計画を立てること。人の何十倍も努力する覚悟も必要だと思います。自分の価値観は捨てない。でも、柔軟に対応する心構えを忘れないこと。その国の文化を無視する人は失敗するケースが多いと感じます。ニュージーランドで生活する日本人の共通点は礼儀正しさやマナーの良さ、時間を守るなど、日本人の美徳を最大限に生かしていること。そういう日本の良さを忘れず頑張っていけば、まわりに友達や助けてくれる人が出てくるはずです。

ポーリン・ケント教授

ポーリン・ケント教授のメッセージ若いエネルギーを存分に発揮して。

若い人には体も頭も、エネルギーがあふれています。ものすごい吸収力があるから、それを発揮すれば大丈夫。スポーツを通してチャレンジすれば自信がついてくるし、自信がついてくれば個性を発揮できるようにもなります。2015年、龍谷大学の国際文化学部は京都の深草に移転します。社会人キャンパスも出来ますし、「グローバルに活躍したい」という方は是非来てください。世界で活躍できる人材になるためのお手伝いをしていきます。

野口 忍氏

野口 忍氏のメッセージ失敗もプラスにとらえて進んでいこう。

私自身、龍谷大学に28歳で入学しています。年齢とか、見た目とか、着る服とかそういうことにとらわれることなく、自分の強みと個性をつくって道を切り拓いていってください。日本人は過剰にミスを恐れる人が多いですが、失敗してもプラスにとらえてポジティブに。スポーツなど、自分の強みを軸にして、楽しく外国の文化を学びながらチャレンジしていっていただければと思います。

大内 寛文監督

大内 寛文監督のメッセージまず、一生懸命になれるものを見つけること。

私は高校のときにラグビーというスポーツに出会い、30歳まで現役を続けることができました。その後もさまざまな出会いや環境を経て、まわりと助け合って生きています。皆さんも何か一生懸命になれるものを持てるようにいつもアンテナを張っていただきたい。これからの道のりには、嬉しいこと、辛いこと、本当にいろんなことがあるでしょう。その中で自分自身と目的を見失わず、チャレンジを続け、これからのグローバル社会を輝いて生きていってほしいと思います。

トークセッション Q&A <当日回答>トークセッション Q&A <当日回答>

スポーツを通じた出会いが今のご自分にどのように役立たれていますか。

自分はオーストラリアでの練習期間が長かったこともあり、当時の知り合いとは今でもつながっています。フェイスブックでやりとりしたり、仕事でアドバイスをもらったり、オフの時には遊びにいったり。家族ぐるみのつきあいをグローバルにできているのはありがたいことですね。スポーツをやっていなかったら決してなかった出会いです。ずっと大切にしていきたいと思っています。【野口 忍氏回答】

ラグビーは試合中、たとえミスをしても、怪我をしても、闘争心が薄れてしまったらその瞬間に負け。ノーサイドの笛が鳴るまでは何があっても気にしていけません。「人事を尽くして天命を待つ」という言葉がありますが、私は「人事を尽くして天命を受く」という言葉を作りました。自分の全力を尽くして負けても、嫌なことをあっても、結果を受けて次を考えないといけない。そういったことを、ラグビーを通じて学びました。【大内 寛文監督回答】

就職活動中の学生です。日本では就職活動自体がすごくマニュアル化していると感じています。海外の学生はどのように活動しているのでしょうか。

私も日本の就職活動が不思議でならない。スーツはみんなブラック。どうやってその人の個性を見るの?と思います。これからは個性のある人材が非常に役立つはずなので、ちょっと残念ですね。海外ではかなり積極的に動かないと就職できません。オーストラリアの場合は「こういう仕事でこういう資格を持った人を募集します」という求人に対して、学生は資格や能力、個性を競いつつアピールしていきます。
今後日本はもっと外国人を労働者と受け入れる風潮が出てくるかもしれません。いろんな文化背景を持った人と働いていくには、多文化共生の力がどんどん重要になってくると思います。【ポーリン・ケント教授回答】

トークセッション Q&A <当日未回答>トークセッション Q&A <当日未回答>

大学のキャンパスで歩行者と自転車の共生がテーマになっています。キャンパス内では、 自転車を押して歩くことになっています。野口様にこの「歩行者と自転車の共生」について大学においてどう考えるべきかお伺いしたいです。

「歩行者と自転車の共生」に関してですが、これは様々な理由ですぐに解決できる問題ではないですが、明確な「歩行者用」と「自転車用」のレーンに分けるのが相応しいと考えます。自転車文化が昔から浸透しているヨーロッパでは、自動車道、自転車道、歩道がしっかりと別れており、歩道を自転車で走行すること自体があり得ないことと一般市民も考えます。日本は歴史的な背景にも大きく影響されますが、ママチャリ文化が根強く残っているので、一般の方の自転車に対する意識が圧倒的に低いのは言うまでもありません。「自転車は一般的に車道走行」という道路交通法ですら知らない人が多いのではないでしょうか。
解決策として、

  • 1、自転車の交通ルールを再教育(小学校からしっかり指導しなおすべきだと思います)。同時に大人向けにも必要でしょう。
  • 2、自転車専用道路を設ける
  • 3、道路交通法に則り、自転車の交通ルール違反に対してさらに厳しく取り締まる

大学においてどう考えるべきかというところですが、これは非常に難しいテーマですし、すぐに変わっていくことでもありません。まず国が動かなければどうしようもないことがほとんどですので。現実的に考えられることは、人が集まるイベントで「自転車の交通ルールを再認識」してもらったり、子供向けにそのような事を行っていくことでしょうか。それが少しでも交通事故数減少に貢献していると説得でき、道路環境改善に向けた署名などが集められれば前進に向けて動き出していくように感じます。 【野口 忍氏回答】

グローバルの時代がやってきたと日本でも世界でも言われていますが、日本の若者と世界の若者の違い、特に日本の若者が劣っていると思われる点はありますか?また、これからの日本人は、日本人として世界でどのように生き抜けばいいと思われますか?

国によって国民性がありますので一概にこれという違いは言えませんが、欧米人に限って言えば、自分の意見をはっきりと相手に伝えようとする気持ちが強いように思います。一方私たち日本人は「一生勉強」というように、様々なことを吸収していこうという勤勉姿勢が強い傍ら、その吸収したことを元とし、自分の意見としてはっきりと相手に伝えることが苦手な国民だと思います。そこには「奥ゆかしさ」「恥の文化」というような誇れる国民性や「言葉の壁」が影響しているからかもしれませんが、そういう欧米人の社会で活躍しようとするのであれば、時にははっきりと相手に自分の意思を伝えるということが大切なことではないかと思います。様々なものが違う国では「順応性」「柔軟性」ということが大切です。しかし、そういう感性を持ちながらも、ココという時はっきりと「もの申す」。世界で生き抜くために大切なことの一つだと思います。【大内 寛文監督回答】

ケント先生が、今までChallenge!!したことを教えてください。また、そこで得られた経験はありますか?

私にとっては、日本語を学ぶことが今でも大きなChallengeです。最初は友達とお話しするために頑張ったり、大学で勉強するために必要でした。しかし、言語を習うことはそんなに簡単ではありません。また、日本語といっても(英語でもそうですが)一つの便利な標準的なものではありません。たとえば、勉強をするための日本語と、講義をするための日本語は異なります。さらに会議のための日本語、あるいは若者が使う日本語も皆違います。挫折を何回もしましたが、練習を重ねることによって、その成長が自分でも見えてきます。その時の達成感が高いです。また、言語をいくつかのパターンのパズルだと考えると、それまでよくわからなかった言い方の意味がやっとわかり、ひらめいた!という気持ちになります。今でも毎日、日本語の勉強をしていますが、実は言語を理解し、そして他者とコミュニケーションをとるために使うことができると、本当にエキサイティングで、今でもわくわくすることが多いです。
Challengeは、私たちのいろんな「限界」を試させてくれるものですが、「限界」が限界ではなかったとわかるときに、人はさらに面白いものを目指すようになり、面白い人生を送ることにつながると考えています。【ポーリン・ケント教授回答】

今後ボーダレスな社会、国境が無くなる社会の中で、自らの目標やアイデンティティを見失わないためにどうすればいいですか?

目標によっては国境を気にしていられないという状況が増えています。言葉をマスターするために留学するとか、大内監督や野口くんのように試合にでるために海外に出かけたりすることが多くなっています。しかし、目標がはっきりしていれば、国境を越える方法が明確になり、ある程度楽になります。同時にそれは、成長するために、ある程度自分に自信がないとできないことです。つまり、目標を果たすためのプロセスはアイデンティティ形成につながります。
ただ、学生が留学するとき、留学先で自文化などについて必ず聞かれますが、意外に自分の文化について知らないということに気づきます。そこで、日本文化の特徴(の一つ、二つで結構ですが)について勉強していけば、それが会話などのきっかけにつながると思います。
ですから、他文化との接触によってさらに目標を増やしたり、自分も成長しますので、国境を越える楽しさがわかってくると思います。(しかし、積極的に勉強をする必要があります。)【ポーリン・ケント教授回答】

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