シラバスNo | 18 |
担当者 | 林 則仁 |
テーマ | 装飾をとおして理解する世界の文化 |
PEC候補生受入 | 受入可 |
講義概要 | 古代から人類は建物や工芸品、衣服や道具などに装飾(decoration)を施してきましたが、それら装飾は地域や時代の文化、宗教、思想、風土や民族性などの特性を色濃く反映して発展してきました。装飾は「モノ」の表面を美しく飾るというだけでなく、それを作る人、所有する人、関わる人々のアイデンティティの表現であったり、政治的、宗教的な意図や慣習に倣ったものもあります。 本演習ではまず、装飾を考察していく過程において、その表面上の芸術性だけでなく背景にあるものへ視野を広げて理解を深めていくことによって装飾の文化的重要性を認識していきます。また、装飾技法(象嵌、三彩、蒔絵、浮彫、クルダセカ、鍍金、モザイクなど)や製作プロセス、色彩の組み合わせなどにも注目して、あらゆる視点から文化としての装飾を理解する力を養います。 |
到達目標 |
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講義方法 | 演習Iでは装飾の基本知識を得るために古代から近代までのアジア、アフリカ、ヨーロッパの装飾美術を広く取り上げて講読をおこなう予定です。なるべく英語の文献を中心に使用し、英文からも積極的に情報収集する状況に慣れてもらいたいと思います。また、周辺の美術館・博物館へ足を運び、作例を直接みながら授業をおこなうことも予定しています。 演習IIでは、各学生が関心のある地域・時代の作例を見つけ出し、研究計画をたててリサーチ、発表、討論をおこない、次第にそれぞれの研究テーマを練り上げていくようにします。 |
成績評価の方法 | 平常点評価(100%)。出席や授業への参加度、課題への取り組みと達成度、プレゼンテーション、レポートなどを評価の対象とします。欠席や遅刻を一定数繰り返した場合は不合格とします。 |
系統的履修 | 芸術、歴史、文化、思想などに関する科目を広く履修していることが好ましいです。 |
テキスト | 特になし |
参考文献 | James Trilling, The Language of Ornament, Thames & Hudson, London, 2001. Oleg Grabar, The Mediation of Ornament, Bollingen, 1995. E.H. Gombrich, The Sense of Order: A study in the Psychology of Decorative Art, Phaidon Press, London, 1994. 鶴岡真弓『装飾の神話学』河出書房新社、2000 海野 弘『ヨーロッパの装飾と文様』パイインターナショナル、2013 |
履修上の注意・担当者からの一言 | このゼミは2015年度の学生が一期生となりますので、良くも悪くも先輩がいません。ですから、この新しいゼミをいっしょに創っていくことに関心のある学生や積極的に課題や活動に参加する意欲の高い学生を希望します。 身の周りにあるいろんな装飾には、実はそれぞれ歴史や伝統、文化の要素が詰まっています。装飾を学ぶことでそれら一つ一つを見ることがきっと楽しくなるでしょう。このゼミでは美しいものをみて楽しめる人や探究心の強い人の履修を歓迎します。 |