シラバスNo 28
担当者 三谷 真澄
テーマ アジアの人間交流と仏教文化
PEC候補生受入 受入不可
講義概要 2011年に、仏教総合博物館として「龍谷ミュージアム」が開館しました。龍谷大学には370年を超える伝統がありますが、その存立の基盤は仏教です。
 この演習は、アジア地域に暮らす人々にとって重要な役割を担ってきた仏教を中心として、日本の精神文化や「いのち」をめぐる問題について考えます。仏教に関心がなくてもだれでも参加できます。
インドに生まれた仏教は、地理的にも歴史的にもアジア全体に広く影響力をもちつづけています。仏教は、固有の文化や土壌を否定せず、外来宗教でありながら異文化の地に根付いていきました。そこには、多文化が争うことなく共生している姿があり、また、経済的貧困にありながらもたくましく生き抜く人々の信仰があります。その原動力を探ってみましょう。  日本に目を向けると、「五十音図」や「いろはうた」、そしてカタカナも仏教に関係していますし、「人間」「世界」「平等」「我慢」「玄関」「挨拶」「縁起」など仏教に由来する言葉は数えきれません。また「もったいない」「おかげさま」など仏教に関係していると考えられる独特の思考方法もあります。 この演習では、20世紀初めに日本唯一の中央アジア探検を果たした大谷探検隊(1902-1914)など、龍谷大学ならではの最新の研究成果や、「学外ゼミ」を通して仏教文化の生の資料に触れる機会を作りたいと考えています。
到達目標 自己の研究課題の探求と研究テーマの発見
講義方法 ゼミは、大学生活の集大成である「卒業論文」の作成と深く関わっています。「自分は大学でこれを勉強した」という充実感、達成感がその後の人生の糧となることは間違いありません。少し高い目標を設定して頑張るところに自然に仲間や情報が集まってきます。 最初は、当方からの話題提供をもとにした討議形式で行いますが、徐々に個別の研究発表に移行し、後期には自分で設定した研究テーマの発表を行いたいと考えています。 また、学外ゼミを前後期に行う予定です。京都や奈良の著名寺院はじめ、周辺博物館等にも足を運び、希望によりアジア各地の文化に触れる機会を作りたいと考えています。後期末に発表内容にもとづいたレポートを提出してもらう予定です。
成績評価の方法 成績は、出席(30%)、発表(30%)、レポート(40%)を目安として、後期に総合評価します。
系統的履修 仏教の思想A/B、中央アジアの文化、アジアの仏教文化
テキスト 特に指定しません。
参考文献 松原廣志・須藤護・佐野東生編『文化交流のエリア・スタディーズ―日本につながるカルチャールート』ミネルヴァ書房、2011  その他、ゼミ生の興味・関心に応じて個別に指示します。
履修上の注意・担当者からの一言 演習は、教員からの連絡だけでなく、学部、大学から学生への情報提示の場でもあるので、欠席しないようにしてください。 好奇心のある人、日本文化に関心のある人、お寺巡りの好きな人、仏像の好きな人、言葉の由来や文字の好きな人。どれか一つでも当てはまれば大丈夫です。