シラバスNo | 17 |
担当者 | 中根 智子 |
テーマ | 世界の平和と貧困 |
PEC候補生受入 | 受入可 |
講義概要 | 演習では貧困問題を中心に広く「平和とは何か」を考えます。戦争は平和を阻む最大の暴力ですが、だからと言って戦争がなければそれだけで平和とも言い切れません。たとえば、戦争はなくても、飢えや貧困、差別や抑圧の中で生きている場合は特にそうです。 世界には先進国にも途上国にも「貧困」の問題が存在します。途上国の貧困問題はその規模も大きく深刻です。貧困によって人々は、教育の機会を奪われたり、危険な労働を強いられたり、先祖代々の債務を背負わされたり、紛争に巻き込まれたりするなど、より脆弱な立場に追い込まれます。先進国の貧困問題は相対的ゆえに、不当な偏見に曝されたり、自己責任の言説が根強かったりして、当事者を孤立へと追い込むことが少なくありません。 しかし、貧困な状況にある人々を単に「かわいそうな弱い存在」とのみ見るのは一面的です。彼ら/彼女らの日々の生活に着目すると、そこには主体的に日常を生きる生存戦略が見えてきます。たとえそれが溢れる選択肢の中から本人が余裕をもって選び取った戦略でなかったとしても、過酷な状況下において生き延びる術を獲得していく姿があります。加えて、NGO/NPOなどをはじめとして、貧困に纏わる諸課題を乗り越えようと取り組むローカルおよびグローバルな市民の連帯も広がりつつあります。 |
到達目標 | 卒業論文を書き上げて卒業するまでの間に… 途上国も先進国も含めた世界の中で生きる1人の市民として、いかに世界と繋がっていきたいのか(どのような役割を担いたいのか、世界に貢献できる自分自身の得意分野は何か、など)をそれぞれが発見してくれることを期待しています。 |
講義方法 | ゼミでは、1. フィールドワーク、2. プレゼンテーション、3. ディスカッションを中心に<読む・聴く・調べる・書く・発信する・共有する>力を養います。 その中でも演習Ⅰでは特に<読む・調べる・共有する>に重点を置きます。 ゼミでの研究テーマは、受講生がそれぞれの問題関心に沿って自分で設定します。 フィールドワークは、自分の研究対象がいる/ある実際の現場へ足を運んで、自分の目や耳で見たり聞いたりすることを通して調査する研究方法です。 ゼミ生は、全員グループまたは個人でフィールドワークに取り組みます。 |
成績評価の方法 | 日常点評価 (レポート、プレゼンテーション、チームワークとリーダーシップ、積極的な授業への参加、課題、ポートフォリオなどを総合的に判断して評価します。) |
系統的履修 | 「平和」「貧困/不平等」「暴力」などに関する講義を受講しておくことが望ましいです。 |
テキスト | 特に指定はせず、各自の研究テーマに応じて紹介します。 |
参考文献 | テキスト同様、授業時に各自の研究テーマに応じて紹介します。 |
履修上の注意・担当者からの一言 | 私の演習では、積極的に研究テーマの現場で実践したり、フィールドワークに出かけたりするなどして経験的に学ぶ姿勢を重視します。本などを読んで知識を得ることはもちろん、五感で学びを体得して自分の研究テーマへの関心と意欲を高めましょう。海外スタディーツアーやワークキャンプに参加するのも大変有意義です。さらに、普段から新聞やテレビ、雑誌などを通して海外の情報を集め、自分自身の日常生活と外国やそこで暮らす人々との繋がりを発見するアンテナを立てておくことが大切です。 ゼミではチームワークも重視します。活発な議論を展開して互いに学びを深めるためにも、ゼミ生同士が交流する機会を多くもちたいと考えています。みんなで楽しく、かつ真剣に研究したい人はぜひ一緒に学びましょう。 |