オーストラリア連邦
RMIT大学2008年度後期W.Hさん(女)
- 期間
- 2008/9/23-2009/2/22
- 所用経費(1ヶ月)
-
宿泊費 66,000円 食費 10,000円 衣服費 10,000円 教養娯楽費 10,000円 雑費 5,000円 合計 107,000円 - 渡航・帰国費用
- 150,000円
- 授業料
- (5カ月) 450,000円
- 換算率
- 1AU$ = 60円
住宅について
私は最初から最後までホームステイだったが、ホームステイは家族によって本当に良し悪しが全く違うので、私の現地の友達は皆ホームステイはダメだと言っていた。私が感じたことは、やはり行ってすぐの英語力ではネイティブの人と会話をするのはすごく難しいということ。だから英語に慣れるまではシェアハウスの方がいいと思った。他の国の友達もできるし、オーナーが現地人のシェアハウスを選べば、現地の文化などもちゃんと学ぶことができる。さらに、ホームステイはシェアハウスに比べて断然高い。
医療について
オーストラリアの病院に行く機会はなかったけれど、医療事情は日本に似ていると思う。私が行ったメルボルンでは、日本人のための日本医療センターみたいなものもいくつかあったので、言葉に不安があっても簡単に治療を受けることができた。
治安・衛生について
私の学校はシティのど真ん中だったけれど、治安はすごく良かった。日本のように夜の暗い通りや路地はやはり危険だったけれど、大きな事件などもほとんど起きず、安心して毎日過ごすことができた。衛生面はやはり日本と比べると断然汚かった。特にトイレと電車の中が特に汚かった。電車ではみんな普通に物を食べたり飲んだりし、「ゴミは電車の中に置いて行く」というルールがあるのかと思ってしまうくらい、みんなゴミを電車の中に置いて行くので、席が空いていてもゴミのせいで座れないこともあった。あとは、日本のように禁煙化があまり進んでいなく、歩きタバコをしそのまま道路に捨てる人がたくさんいたので、道路はタバコの吸い殻だらけだった。でも、メルボルンは建物など街自体はすごくきれいな都市だった。都会と自然が融合していて、過ごしやすかった。
受講科目
Intermediate(10週間)
期間
2008/9/29-2008/12/5
授業内容・到達度
Intermediateはレベルはそれほど高くなく、Writing, Reading, Listening, Speakingの全てをまんべんなく学んだ。 Writingでは初めの5週間はComplaint LetterとPast Experienceの書き方を練習し、次の5週間ではLetter to Editor、Compare and contrast essayとArgumentative paragraphの書き方を練習した。テストでもこれらを書かなければなく、なんども違う例を使って練習し、先生が文法やスペルの間違いを添削してくれた。Readingは簡単なessayやstoryを読み、main ideaとdetailを読み取る練習をした。Listeningは、自己紹介のロールプレイを聞き取ったり、留守番電話の伝言メッセージを聞き取ったり、とにかく日常生活で役にたつ例を使って、大切なポイントを聞き取る練習をした。私は言ってすぐのとき、Listeningに特に自信がなかったので、この授業はすごくためになった。Speakingでは自己紹介から始まり、発音記号の読み方、発音練習、ロールプレイなどさまざまだった。IntermediateのSpeakingでは、間違いや文法を気にせずどんどん声を出していくというのが決まりであった。だから先生にたくさん質問をしたり、友達と積極的にコミュニケーションを取り、頭の中で日本語から英語に訳して話すのではなく、感じたことをそのまますぐ英語で話すよう意識した。期末テストでは、4つ全てで60%以上取らないと次のレベルに上がれなかったので、テスト勉強はすごく大変だったけれど、この方が自分に合っていたのではないかと思う。それより、オーストラリアの先生は机の上に足を組んで座ったまま授業したり、授業中に缶のコーラをあけてガブガブ飲みながら授業したりすることにとても驚かされた。
Upper Intermediate(10週間)
期間
2008/12/8-2009-2/20
授業内容・到達度
Upper Intermediateに入るとIntermediateからは一気にレベルがあがり、RMIT大学にそのまま進学する人たちのための準備クラスのように感じた。最初はその難しさについていけるかどうか心配だった。特にListeningがIntermediateのListeningとは全く違っていた。WritingはIntermediateのときと同じように、いくつかのトピックを書く練習をした。最初の5週間は,opinion essay、最後の5週間はCause and Effect essayとGraph Descriptionだった。Readingはほとんどが難しいトピックのessayで、分からない単語を文脈で推測する問題やshort answerを書かなければならない問題が増えた。そしてさまざまなGraphを読み取る練習もした。Listeningは大学の講義を聞き取ってメモを取る練習や、billion単位から分数、少数あらゆる数字を聞き取る練習をしたり、テキストの他にも先生がBehind News というDVD教材を用意して、難しいNewsを聞いて問題を解くという練習もあった。Speakingでは、簡単な会話から自分の意見を求められるようになり、最後の方はDiscussion, Debate, Presentationがほとんどであった。トピックも難しくなり、たとえば「教育費はすべて政府が払うべきか」「将来原子力発電が1番良い発電方法になるか」「経済的に豊かな国の人々に発展途上国を支援するための税金を課すべきか」など、このようなトピックをクラスのみんなと何度も話し合った。日本語で考えても答えが思いつかないような難しいトピックもたくさんあったが、このおかげで英語力だけでなく考える力もついたように感じた。期末テストはIntermediateと同じくすべての項目で60%以上取らなければいけなかった。 Upperのテストはすごく難しく、特にListeningは私が今までの人生で受けたListeningのテストの中で1番難しかったと思う。しかしこのテストで60%以上取れたことは、確実に自分の英語力は上がっているんだという実感が湧き、自信につながった。
留学を終えての感想
留学を終えた今考えると、留学中よりも準備期間の方が断然大変だったんじゃないかと思う。学校選びから始まり、龍大に提出する書類の作成、パスポート申請、航空券の予約、VISAのための健康診断などやらなければならないことがたくさんあった。特に、私は1人暮らしをしていて留学中は家を引き払おうと思っていたので、出発1週間前くらいに実家への引っ越しもあり、すごく大変だった。お金は、自分の英語力では向こうに行ってから口座を作るのが不安だったので、日本で新生銀行の口座を作り、5か月暮らせるくらいのお金を入れて持っていった。新生銀行はむこうのどの銀行でも手数料が無料でお金がおろせたし、すごく便利だった。あとはクレジットカードとトラベラーズチェックを持って行った。でも、トラベラーズチェックはあまり私が行ったメルボルンには浸透しておらず、両替するのに手数料を取られたり、すごい時間がかかったりしたので、今となっては必要なかったかなと思う。メルボルンにつき、最初の3日間くらいは、言葉が通じないストレスと不安でホームシックにかかり何も食べられないほどだった。そんなときパソコンで他の国に留学している日本の友達と連絡を取って相談しあったり、日本のテレビを見たりインターネットを見たりして、元気になることができた。私が1番持って行ってよかったと思うものはやはりパソコンである。私の学校のパソコンは数も少なくそんなにいいものではなかったので、自分のパソコンを持って行って本当に役に立った。それから、私はオーストラリア=暑いというイメージがあったので、服をあまり持って行かなかったのだけれど、メルボルンは1日に四季があると言われているように、昼間30度くらいまで気温が上がっても夜は1ケタ台ということがよくあったので、もっとジャケットなどを持って行けばよかったと思った。生活用品はむこうでも日本と同じものや同じ質のものが簡単に買えたので、日本からたくさん持っていく必要はなかった。学校が始まり、私の学校RMITは何十ものビルディングを持つマンモス校なので、初日は語学学校のビルを探すだけで大変だった。でもロケーションはcityの真ん中で、すごく便利だったし、アートで有名なメルボルンの綺麗な建物につつまれ、すごくいい環境で勉強することができた。治安も良く、メルボルンは本当にいろいろな国の人が住んでいて、実際にオーストラリア出身の人は半分くらいなんじゃないかと思うくらい、いろいろな国の出身の人に出会うことができた。 だから、レストランなども様々で、日本食をはじめ、いろいろな国の料理を簡単に食べられることができた。ときどき、世界で1番フォーマルな国と言われている日本と、全てが自由でフレンドリーなオーストラリアのマナーの差に戸惑ったこともあったが、慣れるとそれも文化の違いとして受け入れることができた。私の語学学校は特別日本人が少なかったので、行った日から嫌でも英語を話さなければなかった。20週間いて、1度も日本人と同じクラスになることはなかったので、英語を練習するにはとてもいい環境だった。
しかし、留学中1番辛かったことは、やはり言葉の問題だった。どうしても言いたいことがあるのにどう言えばいいか分からない、言いたいことが伝わらないのがすごく辛かった。同時に、今まで日本語なんて自分の手足のように話せて当たり前のように感じていたけど、言葉が自由に操れるというのはすごいことなんだなぁと実感した。日本にいるときは、相手の言っていることが理解できない、自分の言っていることを相手が理解できないなんていうことは絶対にないし、語学のおもしろさを感じた。逆に一生懸命伝えようとして自分の英語が通じたときは本当に嬉しく、もっと勉強したいという気持ちがどんどん湧いてきた。それから、授業中や友達と話しているときに、日本のことを説明しないといけない機会がたくさんあったのに全然説明できなくて、自分がいかに日本のことを知らないかということを実感して恥ずかしかった。友達はみんな自分の国に誇りを持っていて、自分の国のことをすごくよく知っているのに、日本人は日本に誇りを持っているだけで、実際日本のことを何も知らないのではないかと思った。
留学してよかったことは、生の英語に触れられたこと、たくさんの外国の友達ができたこと、自分の将来や世界を見る目、価値観が変わったことである。メルボルンに5か月住んで、たくさんの外国の文化を学び、客観的に日本を見て、自分の価値観や考え方はなんて小さかったんだろうと改めて感じることができた。同時に、自分がどんなに豊かな国に生まれ、いい環境で育ったか、日本の素晴らしさも知ることができた。また、水不足のオーストラリアでの生活や、私が行っていた時期にちょうど史上最悪の山火事がメルボルンで起こったりしたことにより、今まで実感の湧かなかった環境問題についてももっと考えないといけないと思った。友達は、中国や台湾、韓国などアジアの子が多かったが、中国と台湾の関係など全く知らなかったことも生の声で教えてもらうことができたり、他にはドバイの友達が作ってくれたごはんを生まれて初めて手を使って食べたりした。お正月休みには、台湾へ旅行に行き、台湾人の友達の実家に泊めてもらうこともでき、日本から台湾へ旅行するのではなくオーストラリアから台湾へ行ったことにより、また違った感覚で台湾の文化を学ぶことができた。それから、留学前からどうしても行きたかったテニスのグランドスラム、全豪オープンを現地観戦し、世界中から来た人たちと、スポーツの楽しさを分かち合えた。この数えきれないくらいの一生ものの経験と思い出が、英語力だけでなく、私自身も強くしてくれた気がする。これから、私はこの経験をただの「いい経験だった」では終わらせたくないので、英語の勉強を続け、留学中に少し勉強をし始めた中国語も本格的に勉強していき、トライリンガルを目指したい。龍大で留学に行くまでの1年半、正直寝坊も多く、単位も何度か落としたこともあったけど、留学中に勉強することの楽しさを知り、今までなんてもったいないことをしていたんだろうと実感した。だからこれからこの気持ちを忘れず、あとの2年をかけて、この留学の経験を生かして自分に何ができるのか、しっかり探していきたいと思う。高校の修学旅行で行ったオーストラリアに感動し、ここで英語を勉強したいと思い始めて早3年。このメルボルンでの留学生活は、今までの人生で1番大切で貴重な経験になった。