オーストラリア連邦
シドニー大学2007年度後期A.Nさん(女)
- 期間
- 2007/8/27-2008/2/8
- 所用経費(1ヶ月)
-
宿泊費 92,000円 食費 14,000円 交通費 14,000円 図書・学用品 2,000円 衣服費 3,000円 教養娯楽費 20,000円 雑費 5,000円 合計 150,000円 - 渡航・帰国費用
- 150,000円
- 授業料
- (年間)741,500円
- 換算率
- 1AUD=100JPY
=891,500円
住宅について
シドニーでのホームスティはスティ先の情報を可能な限り入手するように努めてください。なぜなら、多くの家庭が税金対策、あるいは営利目的で学生を受け入れているらしく、納得できる対応を受けることは稀なようです。実際に私の周りにおいても、ホームスティ先で問題を抱えたため、ルームシェアや一人暮らしに変更する人が見受けられた。
医療について
利用しなかったため不明。
治安・衛生について
夜のシティでもさほど危険を感じることはなかったが、頻繁に起こる街中の喧嘩には驚かされた。また、電車の座席に注射針が落ちているなど、ドラッグの規制や対策が不十分であるように感じた。衛生面では、日本に比べかなりの不衛生さを感じた。街中のトイレの床は常に水浸しで汚れが目立ち、道路は常にごみや煙草の吸殻が落ちていた。
受講科目
EGP(General English Program) Pre-Advanced
期間
2007/8/27-2007/9/28
授業内容・到達度
教材は担任が自作したと思われるブックレットと、その内容に見合った宿題が用意されていた。内容は日常生活に密接するオーストラリア英語を学習したり、あるテーマに対してディベートが行なわれた。渡豪直後の授業であったが、内容は英語の基礎に重点を置いた内容であったため、理解は容易であった。これまでの学習を再確認するような内容であったので達成感はなかった。
EGP(General English Program) Pre-Advanced
期間
2007/10/8-2008/11/9
授業内容・到達度
前タームとクラス編成は同様であるが、授業内容は時事問題、歴史、映画など多岐に亘り、アカデミックさを増した。単語についても、これまでに見聞きしたことのないものが、数多く見受けられるようになり難易度が増してきた。予習、復習を確実に行なうことが重要であり、充実感と学習意欲が向上した。
EGP(General English Program) Advanced
期間
2007/11/12-2007/12/14
授業内容・到達度
Advancedにステップアップして、まず感じたことはこのクラスだけが持つアカデミックな雰囲気である。Pre-Advancedと比較し、リスニングおよび文法の時間が増した。内容の理解に時間を要するときもあるが、その部分を理解したときの充実感もPre-Advancedよりはるかに大きいものであった。
EPG (General English Program) Advanced
期間
2008/1/7-2008/2/8
授業内容・到達度
前タームより一層、アカデミックな内容となった。毎週決められたテーマ(時事、国際問題など)について深く学び、そこから学び取った文法や表現を用いたスピーキングを行なった。ここでは、発音に力をいれており、個人レベルでの指導に熱心であった。表現力、文法力を高めてからのスピーキングとなるロジカルな学習方法がとられており、高い学習効果が得られ、個人的にも最も充実した期間であった。
留学を終えての感想
渡航前の諸手続きは、早いに越したことはない。「まだ大丈夫だろう」と思っていても、実際はあまりの手続きの多さに慌てふためき余裕がない。私の場合は、7月の留学に向けて3月にパスポートを作り、5月には学校入学の手続きを始めていた。龍谷大学の留学説明会でよく、「渡航前に語学をしっかり勉強しておけばよかった」ということを頻繁に耳にしていたが、実際は、語学の勉強をさほどしなくても苦労はないと思う。逆に、日本で習ったことと異なるニュアンスが結構あったりするので、事前学習に過度な労力を費やす必要はないと思う。ただし、通常のコミュニケーションを図ることが可能なレベルは必須である。
次に持っていった方がいい物について、私が持参して一番役に立ったのは「折り畳み傘」である。オーストラリアで売られている傘はパラソルほどの大きさで、持ち運びや使用が非常に不便である。また現地の折り畳み傘は、日本の物より少し大きく感じた。また、携帯電話は現地で手続き不要なプリペイド式電話が容易に入手できる。ただし、日本国内で使用している携帯電話も使用は可能だが、DoCoMoの場合、数文字のメール送受信のそれぞれに1通50円掛かる。ノートパソコンについては、事前にステイ先でのインターネット使用の可否を確認する必要がある。私のホームスティ先ではインターネットの使用が禁止だった。たとえ使用が可能だとしても、料金も従量制が主流であり、また、ブロードバンドの普及はさほど進んでおらず、あまりのスピードの遅さに唖然とすると思う。
お金に関しては、これといった不便はなかった。日本の銀行で国際キャッシュカードを発行してから渡航したので、街のどこのATMからお金も引き出せ、日本からの送金もスムーズに行えた。クレジットカードに関しては、帰国時の飛行機のチケット購入に使用しただけで、後は一切使用しなかった。
気候に関して、シドニーの気候の変化はかなり激しく、体調管理が難しいと感じた。春や初夏に寒い期間が続くことは日本でも珍しくないが、シドニーの夏は気温や天気の変化が激しく、真夏にもかかわらず長袖を着用することも珍しくなかった。私が滞在していた時には、嵐や洪水が一週間続いたことがあった。
留学先の学校について、シドニー大学付属の語学学校、CETの授業料はシドニーで一番高いと言われるが、教育内容のレベルは高く、施設も綺麗で設備も充実していた。教師については英語の勉強だけでなく、生徒自身の相談や生活にもかなり親身になって接してくれた。そのおかげで、これといった不満もなく卒業することができた。この学校が位置する地域は、アボリジナル・ピープルの多くが居住するため犯罪が多く危険だと言われているが、実際に私が被害にあったことはない。ただし、駅でお金や煙草を求めて声をかけられることは日常茶飯事であった。
食生活についての苦労、不満は特になかった。私は食事に対し好き嫌いは少ない方なので、カンガルーの肉なども抵抗感もなく食べられた。また、日本とのギャップも大きくない。なぜなら、日本にも当たり前にあるファーストフードのチェーン店や、日本食レストランが多数存在するからだ。 しかし、物価、特に食費にかかる金額は高い。ペプシの500mlのペットボトルは約300円、水の500mlのペットボトルでさえ最低200円はする。 昼食もファーストフードでさえ最低500円なければ食べられないのが実態で昼食が意外な出費となった。
留学中の旅行について、シドニー周辺は公共交通機関が発達しており、電車やバスのいずれかを利用すれば24時間移動が可能である。 また、電車、バス、船の共通パスが安価で入手できるので休日も存分にシドニーを散策できる。
留学して良かったと思うことは、もちろん英語能力が大幅に上達したことである。読み書きは日本でも上達は可能であるが、リスニング、スピーキングは、実際に英語圏で生活をすることで、特にネイティブの発音、言い回しについて、高い学習効果が得られた。また、彼らの文化、生活様式を直接学ぶことができたことも国際感覚を養うにはよい機会であった。この経験は英語力のみならず、異文化に触れ、学び、理解力することができた自分に対し大きな自信となった。
逆に一番辛かったことに関しては、アジア人に対しての差別であった。街中での差別的な罵声や、公共交通機関であっても乗車拒否されることがある。私もバスに乗車拒否されたことあった。しかし、国際社会におけるアジア人または日本人に対するこのような感情が存在することを知り得ることができたことは、私の国際感覚を醸成させていく上で貴重な経験でもあったし、私が日本人として、アジア人としての誇りを感じる場面でもあったように思えた。
留学に対するイメージのギャップとしては、ホームスティ先の環境であった。渡航前の私のイメージは、アットホームなネイティブと生活を共にして楽しく英語を学べることを期待していたが、実際のホームスティ先は移民の家庭でネイティブな英語ではなかったことである。シドニーのホームスティ先は移民系の家庭が多く、中には英語力が不十分な場合もある。また、税金対策、営利目的で学生を受け入れるところが多く、十分な量の食事を提供してもらえなかったり、明らかに低予算で嗜好に合わない食事を提供されるため、ほとんど昼食のみという学生がいたことも事実である。また、私の留学中に一番のストレスを感じた場面もスティ先への不満からであった。
留学を終えて、今回の経験は、英語力の向上はもとより、人間的にも明確に自覚できる成長できたし、コミュニケーションを図ろうとする姿勢についてもこれまで以上に前向きにしてくれた。英語と一生を過ごすこと目標としている私にとって、最も貴重で忘れがたい有意義な時間であったといえる。この経験をこれから自分が目標とする将来の希望を達成させるための大きな武器にしていきたい。また、今回の留学を支えてくれた周りの人たちへの感謝の気持ちを忘れず、これを形に残していくためにもTOIECや英検の各種資格取得に努め、残りの学校生活を充実させ、夢の仕事と暮らして生きたい。