カナダ

ヨーク大学2005年度前期M.Nさん(女)

期間
2005/3/5-2005/9/4
所用経費(1ヶ月)
宿泊費
ホームステイ
70,000円
50,000円
食費 20,000円
交通費 8,000円
図書・学用品 1,000円
衣服費 10,000円
教養娯楽費 10,000円
雑費 5,000円
合計
ホームステイ
124,000円
104,000円
渡航・帰国費用
200,000円
授業料
(半年)
1,000,000円
換算率
カナダドル=93円
(2005.9現在)

住宅について

ホームステイ

日常生活でも常に英語が話せる環境であること、その地域・生活スタイルを知るには最高の住まいだといえる。ホームステイには当たり外れがあったり、家庭によって多少違いがあるのは事実である。

カナダ、私の滞在したトロントは知ってのとおり、移民の都市でたくさん違った民族の人々が一緒に暮らしている。そのため、ホームステイは必ずしもネイティブカナディアンの家庭がホストファミリーとは限らない。私は2ヶ月間ホームステイをした。私のホストファミリーはイスラエル出身のユダヤ教の家庭だった。ユダヤ教は特別の食べ物しか食べてはいけない決まりがあり、毎週金曜日には決まった儀式が行われる。

そして、4月の末には約一週間の大きな民族儀式があり、食器、食べ物全てを新しく、そして儀式専用のものに変えて一週間を過ごした。ホームステイではこんな特別な体験をすることができる。ホストマザーの手料理は最高においしく、毎日満足できたし、皆に自慢できるほどだ。生活全般では特に決まりもなく、自分の好きなことは自由にしてもよいというとてもオープンな家庭だった。

洗濯は週に1回。帰りが遅くなったり夕ご飯がいらないときは連絡する。大半の家庭は留学生の受け入れになれているので、私たちのことをよく理解していると思う。

ただ、残念だったのは家族全員が結構忙しくしていたので、なかなか団欒をとったり、日本の紹介など交流を持つ場がなかったことである。ご飯を一緒に食べたり、日本食を

もてなしてあげたり、沢山交流をしたかったという心残りは少しある。

ホームステイと大きく違うのは、同じ環境にいる他国の留学生と交流ができるということである。

また、毎日気を使うことなく、自分の生活ペースで暮らすことが出来る。私はキャンパス内にある寮で4ヶ月生活した。寮は13階建てで11階に住んでいた。部屋からの眺めはまるでホテルから眺めている景色のようにすばらしいものだった。一人部屋が与えられ適切な広さだったが、部屋に一日いることは窮屈である。

トイレ、シャワーは各フロアーにあり、共同で使う。キッチン、テレビ、冷蔵庫は各2フロアーに共同ルームと一緒に備えられている。フロアーは男女でわかれている。共同で使うキッチンにしては小さすぎて、毎日混みあってとても料理をできる状態ではなかった。

しかし、それが寮のスタイルで他国の友達と料理を分け合い、説明しあい、交流が生まれるいい環境である。一人部屋には勉強机、ベッド、クローゼット、タオル、シーツ、鏡、スタンド、冷暖房等が備えられている。大きい冷蔵庫は共同フロアーにあるが、自分の部屋に小さいサイズのものをレンタルした。洗濯は地下にある洗濯機と乾燥機をカードにお金をチャージして使用した。

大学生が夏休みの間に、私たち留学生が住ませてもらっているという形だったので、シャワーの工事やカーペットの張り替え等も行われ、学校が終われば次の日に移動しなければならないという不便に感じるところもあった。

医療について

私は幸運にも病気にかかったり、怪我をして病院にお世話になることがなかったので、カナダの医療事情がどういったものかわからない。しかし、カナダは医療に関しては進んでおり、留学生に対する対応もしっかりしていると思う。

治安・衛生について

カナダの治安は良いといえる。しかし、ある地域は治安が悪いため近づかないほうが良いという地域もあった。滞在している間に実際に発砲事件や民族差別による事件があった等、ニュースで耳にすることはあったので、自分の身は自分で守ることが第一である。夜遅く外を出歩くことは日本でも同じようにいくら治安がいいと言っても避けたほうが良い。カナダだけに限ったことではないが、海外には変わりないので日本と同じように考えてはいけないし、常に気を引き締めていたほうがいい。

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受講科目

York University English Language Institute Academic Program (2520)
期間

2005/3/7-2005/4/29

授業内容・到達度
Level3(Core Class)

Speaking Reading Writing Listeningの4つのスキルを偏りなく学んだ。ゲームをしたり、DVDや音楽を使い、すべてを楽しみながら英語を学んだ。文法やWritingに焦点をおくのではなく、パートナーやグループでのディスカッション中心でSpeakingが伸ばせた。このコースでは全ての項目においてハイスコアを取ることができた。

(Seminar) Vocabulary Building

色・動物・人体などの言葉を含んだ様々なイディオムを学んだ。DVDやTVプログラムを使い、そこからイディオムを学んだり、歌の聞きとりをした。グループワーク中心で辞書を使わず自分の言葉で表現する授業。自分のボキャブラリーが増えた。

York University English Language Institute Academic Program (2530)
期間

2005/5/9-2005/6/30

授業内容・到達度
Level4(Core Class)

level 3に比べてトピックが随分アカデミックになる。WritingとReadingに焦点をあてて勉強する。大学に向けて勉強するため、エッセイや要約の書き方を学ぶ。Writing力が強くなった。

(Seminar)Literature

本を読んで理解するという形ではなく童話、詩、歌、演劇、映画などを実際に見たり聞いたりしながら学ぶ。ディスカッション中心でSpeakingの練習になった。

York University English Language Institute Academic Program (2540)
授業内容・到達度
Level5b(Core Class)

WritingとReadingに焦点をあてるのと、Level4に比べてさらにエッセイを書いたり、本を読む回数が多くなる。また、少し高度な文法も学ぶ。

(Seminar) Pronunciation

母音の発音、-e、-ed、 thの発音などを深く学ぶ。日常で難しい発音の単語を見つけ、毎クラス実際に発音し、解決し身につけていく。

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留学を終えての感想

カナダへの半年の留学が幕を閉じた。

2004年春。龍谷大学企画の短期語学研修でマルタ共和国に1ヶ月の留学をした。この1ヶ月の体験が私を大きく変えた。

今度は長期の留学をしようと決めてから、留学に関して全くと言っていいほど知識がないまま、手探り状態で私の留学は始まった。留学する国、学校、住まい、費用、ビザの申請、1から10まで全ての準備を自分でこなした。実際、準備にとりかかった時間が遅く、何回も留学サポート室のスタッフの方や留学経験のある先輩に大変お世話になった。自分の中では絶対にホームシックにはならないと断言していたにも関わらず、最初の1週間は毎日、日本に帰りたいと弱音を吐いていた。

しかし、2週目からは笑いの耐えない最高の日々を送った。それは留学中にお世話になった先生方、沢山の時間を共にした友達、日本から支えてくれた家族、日本の友達、私の留学に携わってくれた全ての人のおかげである。感謝の気持ちでいっぱいである。

クラスは15人ほどが1クラスで先生にもクラスメイトにも恵まれ、勉強する環境は最高だったといえる。特に自分にとって一番よかったのはクラスに日本人が一人もいなかったことである。私の行った大学は比較的日本人が少なかったが、やはり日本人が集まれば日本語になってしまう。それを避けるために英語で会話することを心がけた。決して簡単なことではないが、自分の英語が上達する、しないは全て自分次第である。

私はゼミの関係上、カナダについて詳しく知りたかったので、滞在中に出来るだけ多くの資料、情報を集めようと努力した。その中で一人の先生に相談にのってもらったことがあった。その先生は日本に長い間滞在されたこともあり、また、世界各国を訪れたこともあり、経験豊富な先生だった。カナダについて役立つ情報を頂いた上に、他国から見た日本のイメージについても教えてくれた。その先生の話からも、自分が実際に実を持って体験したことからもわかるように、アジアのそれぞれの国が抱える歴史に関する問題について多くを学んだ。いまさら、歴史のことをどうこう口にしても過去は過去で終わったことなので、仕方ないが、私たちはその過去の事実を知る必要がある。私の周りには韓国、中国、台湾といったアジア諸国の友達がいて、私たちが抱える問題について話あったこともあった。この経験は日本にいては一生味わえない貴重な体験だと思う。

また、カナダはモザイク国家と言われ、トロントは最大の移民の都市とも言える。街中に様々な言語が飛び交い、様々な人種の人々が行き交い、うまく調和しながら暮らしている。そのため、世界各国の食文化、祭り、習慣に触れることができた。これもカナダならではの体験であると言える。

本当にこの半年間で、自分にとって新しい体験をいくつもした。その結果、自分でも大きく成長したと実感できるほど、心身ともに変われたと思う。英語だけを習得したのではなく、それ以上に人生について、生き方について学んだと思う。留学は英語のスキルを学ぶだけのものではない。人を大きく変えるチャンスが山ほど詰まっているものだ。

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