フランス共和国
トゥールーズ・カトリック大学2010年度前期Y.Aさん(女)
- 期間
- 2010/2/28-2010/9/21
- 所用経費(1ヶ月)
-
宿泊費 500ユーロ 食費 100ユーロ 交通費 10ユーロ 教養娯楽費 100ユーロ 合計 710ユーロ - 渡航・帰国費用
- 150,000円
- 授業料
- 400,000円
- 換算率
- 1ユーロ = 115円
住宅について
私は初めはホームステイをおすすめします。なぜならホームステイの方がその国の言語を学校以外の場所でも聞くことができ、言語の上達に大きく関わると思うからです。寮に入っている人もたくさんいましたが、寮の中であまり交流がない場合はその言語を話す機会が少なくなるし、寂しいという悩みを抱える友達も少なくありませんでした。特に留学を初めてする人はわからないことがたくさんあると思います。
そんな時にホームステイをしていればホストファミリーに質問もできるし、頼りになります。また、質問することも自分の勉強になるのでお勧めです。もしファミリーが自分に合わなければ引っ越しすることも可能なので、まずはホームステイをすることをお勧めします。
医療について
私は一度も病院を利用する機会がなかったので、医療事情については全くわかりません。しかし、フランスには町のいたるところに薬局がありました。一度、手にイボのようなものができたときに薬を買いにいったのですが、症状などを伝えると日本と同じように薬を選んでくれました。薬の使い方も丁寧に教えてくれたのでよかったです。
治安・衛生について
私の住んでいた町ははっきり言うと汚かったです。町の中心はまだわりとマシでしたが、路地に入ると犬の糞やごみがたくさん落ちていました。人が多く集まる場所にはいくつかゴミ箱が設置されており、毎朝ゴミ収集車がゴミを集めてまわっていました。また、道路の掃除も頻繁に行われていました。それでも汚いということは犬の糞の始末やポイ捨てをする人がたくさんいるということだと思います。
また、フランスにはほとんど公衆トイレがありません。あるとしても、有料だったりします。トイレに行きたい時はどこかのお店に入ったりしないと行けないので少し不便でした。
受講した科目
Cours Intensifs de Francais Generl Niveau 1
期間
2010/3/1 - 2010/3/26
授業内容・到達度
テストを受けた結果1番下のクラスからのスタートでした。Civilisation / Lexiqueフランスの文化に関するテキストを読み、それを理解すると共に、それに関する単語を覚えました。たいていこの後にProduction / Interaction Oralesの練習で、自分の国ではどうかという事を、覚えた単語を使ってクラスで話すということを繰り返しました。私はこの時、来たばかりだったので何も発言ができなくてすごく悔しかったです。
Grammaireの授業では複合過去、半過去、未来形、近接未来、現在分詞、間接話法、代名詞などフランス語を話すために重要な文法を勉強しました。ホワイトボードに先生が説明をして、例文をみんなで考えるというスタイルで、説明が全部終わるとすぐにプリントを使って練習問題をしました。答え合わせも全員で行い、間違ったら何が違うのかをみんなで指摘し合いました。文法の授業があった日はたくさん宿題がでたので大変でした。Comprehension Oraleの授業ではビデオとラジカセを使って、DELFの問題と解いたりしました。3回同じCDを聞いて、自分が聞き取れた情報を主語と動詞を付けて文章にして発表するという練習も多かったです。答え合わせを終えた後にスクリプトをもらって、分からない単語を復習しました。Comrehension Ecriteではある新聞の記事などを読んで、その時制や表現の仕方を学びました。Production / Interaction Ecritesではあるテーマについて自分の意見を書いたり、海外から友達に手紙を出すという設定で手紙を書いたりしました。この月でフランス語を書くことに慣れることができました。
3月はNiveau1だったので比較的文法の授業が多く感じられました。最初はフランス語でフランス語を学ぶので理解できなくて学校に行きたくなくなったりしましたが、慣れて少しでも理解できるようになるとモチベーションも自然にあがりました。
Cours Intensifs de Francais Generl Niveau 2
期間
2010/4/1 - 2010/6/28
授業内容・到達度
先生が同じだったので授業のやり方としてはNiveau1の時とほぼ同じでした。Civilisation / LexiqueではNiveau1の時よりも少し難しいボランティアや幸せについての考え方などの題材にして勉強を行いました。Nivrau1の時のお金や家族といった形あるものではなかったので、それを言葉で表現するのがすごく難しかったです。Grammaireの授業では引き続き基本的な文法を習う一方で、少し発展した内容も習いました。Production / Interaction Oralesと Production / Interaction Ecrites では習った文法を使って、グループでダイアログを考えて全員の前で発表しました。習った文法を活かして文章を考え、ノートに書いて、話す。私はこの練習はとてもいい授業だと思いました。最初は意見を言うのが怖かったけれど、慣れてくるとおもしろいダイアログを作成しようとしてみんな意見が飛び交うのでとても楽しかったです。
また、このグループワークのおかげで他の留学生と話す機会も増え、他の留学生との仲も深まったと思います。加えて、3週間ほど準備期間を与えられて、各国のお祭りや遊びについてのプレゼンテーションを行う授業もありました。それぞれに音楽や写真、小物を利用して発表し、全員で評価し合いました。Comprehension Oraleでは引き続きDELFの問題を使ってリスニングの練習を行いました。時々ビデオを使って映像と共に表現の仕方を学んだり、フランスの歌を聴いてどんなストーリーの歌かなどを考えたりしました。しかし私には歌はやっぱり難しくて、全然聞き取ることができませんでした。Niveau2の3カ月は私の語学力の成長に一番つながった時期だと思います。理解できないことの多さ、発言できない悔しさ、たくさん悩んで、つらいこともたくさんあった3カ月でしたが、この3カ月でほんとにたくさんのこと学び、そのおかげで人とコミュニケーションをとることが怖くなくなりました。
Cours Intensifs de Francais Generl Niveau 3
期間
2010/7/1 - 2010/9/17
授業内容・到達度
7月から集中講座となり学習時間が少し長くなりました。それと共に先生も変わり、夏休み期間ということもあり、いろんな国から新しい生徒がたくさん加わりました。一気に授業の雰囲気が変化しました。Civilisation / Lexiqueでは芸術、宗教、仕事、消費、移民などについての文献を読み、全員でディスカッションするという形式でした。Niveau1・2では文献をじっくり読む時間も多かったのですが、Niveau3では話す・伝えるということに重点をおいて授業が行われていたように感じます。この中にProduction / Interaction Oralesも含まれており、自分の頭の中で意見を考え、文章を組み立て発言するという練習です。またある状況を設定して、2人ひと組で即興で話すという練習もしました。例えば、お父さんが離れて暮らす娘に久しぶりに電話するなどといった設定です。これは相手が何をいうかわからないし、しっかり相手の言っていることを理解しなければなりません。この練習をするとき、私は聞き取りに少し自信がなかったので、少し緊張しましたが、それぞれが自由に発言できて、冗談も交えながらの会話練習だったので、雰囲気が和み、とても楽しかったです。
ディスカッションでは、ヨーロッパ出身の学生に圧倒されて、私はあまり発言することができませんでした。しかも急にレベルが上がったように感じて、理解できないことも多かったです。しかし、ほかの学生が喋っていること聞きながらその人が使っている単語を調べて理解しようと努め、単語力も増えたし、この2カ月で人が喋っていることをより詳しく理解する力が身に付いたのではないかと思います。
Grammaireの授業ではほぼすべてが復習で、特に動詞の活用を重点的にやりました。現在形、過去形、未来形、話すときも注意して、より美しいフランス語を話せるようになるための練習だったと思います。Comprehension OraleではDELF B1の教材を使って問題を解きました。3回CDを聴いた後、答え合わせをして、スクリプトが配られ、わからない単語の確認を行うとともに、日常会話で使われる表現などを勉強しました。Production / Interaction Ecritesは宿題にされることが多く、あるテーマについて日本ではどうなのかや自分の意見、手紙、招待状の作成、履歴書の作成なども行いました。Comrehension Ecriteの時間はNiveau1・2の時と比べると少なく、これも宿題として読み、問題を解くという形が多かったです。
留学を終えての感想
私が留学を終えた今感じることは、自分は常にいろんな人に支えられて生きているということです。日本にいる時にこれに気付くには、何かきっかけがなければ、なかなか難しいと思います。日本の家族、友達、フランスで出会った日本人、フランス人、外国人の友達、ホストファミリー、留学センターの方、私は日本に帰ってきて改めて、ほんとにたくさんの人々に支えられていたからこそ、この留学を無事に終えることができたと感じます。私は特に、今まで親元を離れたことがなかったので、フランスで親と離れて暮らすことで改めて家族の大切さに気付かされました。日本にいると家族がいるのが当たり前、言葉も通じるのが当たり前。しかしフランスではそうもいきません。最初はホストファミリーとコミュニケーションが上手く取れず、とても悔しかったことをよく覚えています。最初は全くフランス語が聞き取れなかったために、しばらくは英語での会話でした。しかし、せっかくフランスにフランス語を学びに来て、フランスの家庭に住む機会をもらったのに英語では意味がないと、聞き取れなくても、自分にできるだけのフランス語で気持ちを伝えようと努力しました。 フランス人の友達ができても最初は全く言っていることがわからず、友達に訳してもらう日々がしばらく続きましたが、フランス人の友達もホストファミリーもできるだけ私がわかるようなフランス語で話しかけてくれて、簡単な会話でも人とコミュニケーションが取れる喜びを感じさせてくれました。そこから、もっと自分がフランス語を話せたら、もっともっと楽しくなると感じ、フランス語を勉強する意欲が一層増しました。
留学中の生活については、最初は交通や銀行のシステムがわからなくて困ったことがたくさんありましたが、わからなければ周りの家族や友人に聞けばいいし、困った時こそ自分の成長につながったと思います。最初はフランス人の方と話すのは怖かったけれど、思い切って聞いてみれば皆やさしくて、私がしっかり理解するまであの手この手を使って説明してくれました。外国の方に対するイメージが変わった瞬間でもありました。留学中に様々な国や地域に旅行しましたが、自分で行き先を計画して行く旅行の楽しさも知りました。もちろんツアーで行くのも楽しいし、安全ですが、自分で計画することで自分の興味のある場所に行けて、自由に時間を使えます。私はフランスで出来たスペインの友達に会いに、スペインに行きました。こんな風に友達を訪ねて海外に行く旅行は本当に楽しかったし、一生の思い出です。 この留学を終えてから渡航前にしておいた方がいいなと思ったことは日本のことを詳しく知っておくことです。学校にはいろんな国からたくさんの留学生が来ています。授業の中でも「あなたの国はどうですか?」という質問が多く、それぞれの国の文化について話す機会がたくさんありました。私は日本ついての知識も不足していたし、あやふやな部分も多くて、自信を持って日本のことについて話すことできませんでした。その一方で、他の国の留学生たちは自国のことについてよく知っていて、よく喋ります。そんな姿を見ていると自分がすごく恥ずかしくなったし、他国の話しを聞いているともっと日本のことについても知ってほしいと思うようになりました。日本に帰ってきてからは結構ニュースや新聞を読んだり、疑問に思ったことがあればすぐに自分で調べるようになりました。特に大学の授業は1・2回生のとき比べてもっと集中して聴くようになり、学習意欲も増しました。
私は今3回生なのでこれから就職活動に入ります。難しいとよく言われますが、せっかく留学させてもらったので、留学で得た語学と経験を少しでも活かせる仕事につきたいと思っています。そのためには語学力を継続させる必要があります。そのためには、勉強を続けて、話すことが大切です。フランス語の検定や資格を受けたり、フランス人の友達と連絡をとりあったり、日本でフランス人の友達を作ったり、方法はたくさんあります。これをバネに就職活動や自分磨きのために、新しいことにたくさんチャレンジしていきたいと思います。