シンガポール

シンガポール国立大学2008年度前期Y.Sさん(女)

期間
2008/3/18-2008/9/19
所用経費(1ヶ月)
宿泊費 60,000円
食費 20,000円
交通費 5,000円
図書・学用品 500円
衣服費 5,000円
教養娯楽費 30,000円
雑費 500円
合計 121,000円
渡航・帰国費用
200,000円
授業料
520,000円

住宅について

ホステルに滞在した。中国・韓国・インド・タイ・ベトナム・モンゴル・カザフスタンなど様々な国からの留学生、約300人が共同生活をしており、語学留学を目的に来た者の他に現地の大学に通う者や中には働いている者もいた。色々な国の友達や様々な経験を積んだ友達と知り合うことが出来、刺激を受けた。

滞在方法としてホームスティも一つの選択肢ではあるが、シンガポール人はシングリッシュと言われる独特の英語を話すので、その訛りがうつる可能性が大きいので注意が必要である。しかし、他民族国家という独特の文化を持つシンガポールであるのでその面ではおもしろいと思う。

医療について

日本人対応の病院があるため、日本と同じ水準の診察を受けることが出来る。又、保険に加入しておればキャッシュレスサービスが利用出来るため、医療費はかからない。

治安・衛生について

アジア諸国に持つイメージとは反対にシンガポールは日本よりも安全であると感じた。厳しい法律で様々なものが規制されているため大きな事件はないと言われている。衛生状況もいたるところに清掃員がいるためきれいに保たれている。しかし他民族国家なので、地域によっては一概にそうとは言えない。

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受講科目

English Language Program Elementary
期間

2008/3/24-2008/6/6

授業内容・到達度

出発前に自宅で受ける1回のペーパーテストと、授業開始前に行われるペーパーテストと会話の試験でクラスが分けられる。全6レベルあるうちの一番下のレベルからのスタートではあったが、全体的にクラスのレベルは高く、生徒もある程度の英語力は持っていた。

授業構成はIntegrated Skills、Oral Confidence、Reading Skillsに分かれており、2人の先生が担当する。そのうち1人はシンガポール人で、もう一人はアメリカ人であったため、ブリティッシュ英語とアメリカ英語の両方を教わった。

Integrated Skillsはテキストに従って進められ、文法とテーマに関するディスカッションが中心である。3つの章が終わる度にテストがある。Oral ConfidenceとReading Skillsも3つ程のテキストがあり、単語テスト、長文読解や会話や発音の練習があった。又それぞれ宿題は必ずある。タームの最後には試験があり、平均点以上を取らなければレベルアップの許可が貰えないので皆必死に勉強をした。このようにNUSの授業内容は充実したものであり、授業自体も厳しいので自主的に勉強しなければ付いていけなくなる。初期の私自信のレベルは簡単な会話・リスニングが出来る程であったが、タームが終わる頃には、日常会話で困ることはほとんど無くなった。それは授業を通して身に付けた力というよりは、授業外の何気ない会話で見に付けた方が大きいように思えた。又、NUSはクラスの枠を超えて皆仲が良いので上のクラスの人と話す機会がたくさんある。放課後や休日も皆で出かけることが多く、そこでの会話が授業中でも生かされたように感じる。

English Language Program  Pre-intermediate
期間

2008/7/7-2008/9/18

授業内容・到達度

基本的には前のタームの試験に受かった者のみが次のレベルに進める。テキストも先生も生徒も一新し新たなスタートをきれる。授業構成は前のレベルと同じくIntegrated Skills、Oral Confidence、Reading Skillsに分かれており、授業内容もほとんど同じである。しかし新たに発音矯正のプリントが配られ徹底的に発音の練習をする。これが一番厄介であった。そして最終試験での評価の一部になるため毎日練習を続けた。又、長文読解の割合が多くなる。

最も英語のレベルが上がったなと感じたのはこのタームであった。このタームが始まる前に1ヶ月の休みがあり、アジア各地を旅行した。そこでハプニングに見舞われ英語で意思を伝えなければならない状況に陥った。それが功を奏した。このレベルになると頭を使わなければならない問題が増える。又、自主的に英作文を作っては添削をしてもらっていた。やはり、どのレベルでもどの先生に当たっても自主的に勉強をしなければレベルは上がらない。一人で勉強をするのが苦手な私であったが、友達が勉強をしている姿を見てやる気を貰っていた。

NUSの特徴は皆勉強熱心であることだと思う。授業の前後や土曜日にも学校に来て勉強している人が多くいるので全体的なレベルが高いのだと思う。このクラスでも毎回テストがあり、宿題も多くある。最終試験では、文法問題は普段のテストより簡単なものであったが、長文が大変難しく読解力や英作文といった全ての能力を要求される。会話では担任の先生が試験官であるためリラックスして出来た。このタームが終わる頃には、話の流れを止めることなくスムーズに英語が出てくるようになった。

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留学を終えての感想

今期、龍谷大学から英語を学習するための留学としてシンガポールを選んだ学生は私一人であった。通常アメリカやオーストラリアなどを留学先に選ぶ中、シンガポールを選んだ理由は、留学をする前からNGO関連でアジア諸国に行くことが頻繁にありアジアの独特な雰囲気が好きであったこと、一般に留学先として選ぶ国に行くのはおもしろさに欠けると感じていたことなどの理由から初めの段階からアジアに絞って留学先を考えていた。 その中でも安全面や衛生面などを考慮してシンガポールを選んだ。シンガポールを一言で言うと「バラバラ」である。それはシンガポール人がマレー系、インド系、中華系、ヨーロッパ系で構成されていることからそう言える。そこから見た目や言語だけでなく、宗教も生活スタイルも食べ物も多様である。 どこの国にも中華街があることは知られているが、シンガポールはその他にリトルインディア、ブギス・アラブストリートなどがあり、エリアごとに違う国にいるような感覚を味わえる。このように他民族国家であるため、シンガポールの英語はシングリッシュと言われる訛りのきつい英語である。それを理解するのは難しくシンガポリアンと話すときは勇気と集中力が必要であった。そのため語学学校では発音を徹底的に練習させられた。そうでなくてもシングリッシュにならないように気を付けているため発音には気を使った。

私が最もこの国に来て良かったと思えたことは食べ物であった。例えばシンガポールフードに飽きたら違う国の料理を食べればいいだけであり、世界各国の料理が手軽な値段で味わえる。この半年間ほとんどが外食であった。あちこちにフードコートがあり、一食300円程である。もちろん日本の料理もある。その他にも日本の物を手軽に手に入れることが出来る。中心街に横並びに伊勢丹と高島屋があり、違うエリアにも明治屋、ヤマダ電機、ダイソーなどがある。生活する面で困ることはない。従ってスーツケースに荷物が入りきらなかったとしても心配する必要はない。ただし日差しがきついので化粧品は余分に持っていった方が良い。

又、年じゅう高温多湿な気候であり、平均気温は28度と屋外は暑いが、室内は凍える程寒いので長袖の服は必要である。そして頻繁にスコールが降るので傘は絶対不可欠である。一番気になるのがファッションだと思うが、暑いのでショートパンツにキャミソールやチュニックといった服装であり、十分かわいい服はある。気に入らなければ隣国マレーシアに行くことを薦める。マレーシアで靴を大量買いした思い出がある。アジアと聞くと安全面や衛生面で不安があると思うが、この国は日本より安全である。現地に馴染んでいたのか中国人かシンガポール人と思われていることが多く、日本人だからと言って狙われるケースはなかった。

衛生面も比較的キレイであり、水道水も飲むことが出来る。しかし、どの面もエリアによって注意する必要がある。そのエリア同士を繋ぐものはMRT(地下鉄)とバスとタクシーである。

MRTは現在工事中の新しい路線もあり、主要エリアをカバーしている。バスは路線が多く慣れるまでが大変であるが、全土をカバーしており大変便利である。日本では考えられないのだが、タクシーが安くよく利用した。30分走っても400円程である。お金の管理は現地の銀行の口座を開設したが、何かと手数料がかかったのでシティバンクや海外でも使える口座を持っていた方が良い。私の通った語学学校は日本のトップの大学よりもレベルが高いと言われているシンガポール国立大学の付属の語学学校であったが学部のキャンパスとは分かれていた。そのため学部生との交流は全くなかったが、語学学校の位置している場所は中心地であり、何かと便利であった。その教育も他の語学学校と比較すると水準の高いもので厳しいレベルチェック、授業、試験があった。又、どういうわけか生徒も勉強熱心な者が多く、授業外でも勉強をしている姿を良く見かけた。

そしてただ単に英語の勉強をしに来ただけではなく、大学に進学したり就職する者が多い。NUSに通いながら他の学校に通っていたり、中国語の勉強をしている子もいた。クラスの枠を超えて皆仲が良く、頻繁に遊びに行っていた。しかし、私の生活の中心は滞在していたホステルであった。ほとんどの時間とお金をホステルの友達とに費やした。現地エージェントを利用していたので、そこで紹介されていたホステルを選んだ。大学付属の寮ではないため、他の語学学校に通っている者、大学生や働いている者などが滞在しており、出身地は中国、インド、モンゴル、韓国、ベトナム、ロシア、オランダ、フランスなど様々な国籍の人が滞在していた。学校からはバスで30分と少し遠かったが、閑静な住宅街に位置しスーパーやフードコートも充実しており生活しやすかった。そして何よりも友達に恵まれた。初日から多くの国籍の友達が出来た。部屋ではなく、カフェテリアや共同スペースで過ごすことがほとんどであった。その友達と、平日は学校から帰るとカフェテリアに行き友達を見つけては夜中まで話し込んだり、ご飯を食べに行ったりした。週末は決まってBBQか鍋パーティと飲み会があり朝方まで騒いでいた。

又シンガポールはバーやクラブが18歳以上から利用出来る為良く行った。観光にもよく行きその中でも、1時間程で行けるジョホールバル・マレーシアには良く行った。ホステルには運動施設が備えられていたため、良くバスケや卓球をして汗を流した。タームの間にあった1ヶ月の休みを利用してバングラデシュ、タイ、カンボジアを巡った。部屋もミャンマーの子とシェアをしていたのでどこに行っても友達がおり、暇をすることがなかった。このようによく遊んだため生活費がかかったが、普通に生活をするのであれば、物価が安いため生活費はさほどかからない。ホステルは夜中になっても皆騒いでいるため寝付けなかったり、勉強が出来なかったりとマイナス面はある。

しかし、反対に良い面も多い。英語を勉強する中で一番大変なのがリスニングや文法力ではなく、言葉を発することだと思う。いくら語学学校に通っても日常生活で使わなければ意味がない。その点でホステルの友達との時間は、毎日が会話の練習であった。現地で大学に通っている友達は英語が母国語ではないが、ネイティブ並みの力を持っており、教えてもらうことも出来る。そして何よりも知り合いのいない地に一人で行くという不安の中から頼れる人が出来安心した。ホームスティではないため、直接的に現地を知りことは難しい。 しかし、長い期間滞在している者が多く、全ての情報はその友達から聞いたものだった。

最後に、よくシンガポールに日本人はいるのかと聞かれる。答えは「いることはいる」である。探せば見つかるが道を歩いていて日本人を発見したことはなかった。割合にして300人いたホステルの中で日本人は5人程度であった。ただしNUSは日本人の割合が高い。シンガポールに来ている日本人は、
(1)駐在員として来ている者とその家族
(2)日本での仕事を辞めてシンガポールで職を見るけるために来ている者
(3)英語力を付けて現地の大学に進学する者
(4)学生でも英語は既に話せて中国語を勉強しに来ており、現地でバイトをしている者
などが多い。

単純に英語を勉強するために来ているものは少なかった。よく「英語だけ!!勉強しに来たの?」と言われ悔しい思いをした。しかし、私は3回生で留学をしたためゼミの勉強を同時にしなければならなかった。一見発達しており裕福なものが多いように見えるシンガポールでも、抱える問題は多くあるため、そのことを卒論のテーマとするつもりである。帰国して「あーここは日本なんだ」と思い知らされたことがある。道を歩いていても見えるのは日本人だけ、聞こえるには日本語だけと言うことだ。向こうでは道を歩くだけで何カ国の人・言語を発見出来たことだろうか。皆一緒のこの社会をつまらなく思う。しかし、そうも言ってられないので英語力を落とさない様に英語の勉強を続けたいと思う。

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