イギリス
カンタベリークライストチャーチ大学2004年度後期Y.Kさん(男)
- 期間
- 2004/8/14-2005/3/16
- 所用経費(1ヶ月)
-
宿泊費 288ポンド 食費 100ポンド 交通費 - 図書・学用品 - 衣服費 - 教養娯楽費 - 雑費 150ポンド 合計 538ポンド
(約100,000円) - 渡航・帰国費用
- 20万円
- 授業料
- (7ヶ月)7000ポンド(約1,400,000円)
- 換算率
- 1ポンド=200円
住宅について
留学先でホームステイをするとネイティブスピーカーと話す機会が増え英語学習の手助けになりますが、ホストファミリーのルールに従わなければならず、時間的拘束を強いられます。またホストファミリーの当たりはずれがあり、その差は大きいと思います。大学寮では自分のペースで生活を送ることが出来、自分の生活のリズムを保つことができます。自分は大学寮で生活をしていましたが、夜中まで友達と雑談したり、テレビを見たりしていました。そのおかげで英語を上達させる機会に恵まれていたと思います。
医療について
私は一切医療機関を利用しませんでしたが、詳しくはわかりませんが、自分の通っていた学校の先生がおっしゃったことには、イギリスでは医療費が高く、特に歯科は高額でイギリス人でも小さな病気や虫歯程度では病院に行かないそうです。
治安・衛生について
イギリスの治安は日本よりはもちろん悪いと思います。ロンドンでひったくりにあった友人を二人知っています。またイギリス人のアジア人、黒人の対する差別意識は強いと思います。自分の通っていた学校の周りには政府の援助によって生活する人々が暮らしていましたが、その住宅の側を通った時に罵声を浴びせられたり、物を投げられたりまた麻薬を販売されそうになりました。
受講科目
General English
期間
2004/8/16-2005/3/12
授業内容・到達度
English Grammar Study Skills
(Speaking Listeningを中心としたConversation Practice)
IELTS
期間
2004/8/16-2005/3/12
授業内容・到達度
IELTSのテスト対策(Speaking, Listening, Writing, Reading)
留学を終えての感想
留学前にしておいたほうが良いことはなによりもまず語学の学習です。 留学は自分の語学の能力を向上させるという場というよりも、実際にその言語が使われている環境で生活をすることにより、自分の頭の中にある知識を生活の中で実践・反復し、知っていることを使えるものにする場だと思います。ですから、日本で使えなくてもグラマーやボキャブラリーをきちんと勉強して知識を持っている人は留学後の言語の上達も早いと思います。
また、日本人として日本のことをよく知っておく必要があると思います。留学先ではよく自分の国について聞かれ説明しなければならない場面に遭遇します。私もよく宗教について質問され、まともに答えられたことは一度もありませんでした。そんな時よく痛感させられたのは自分の語学力が不十分で説明できないのではなく、自分は日本人でありながら日本のことを良く知らないということです。
渡航時に持っていったほうがいいものはPCです。自分の学校はPCの数も多くそれほど不自由しませんでしたが、学校によっては学生が自習で使えるPCがないところもあるらしく、日本のニュースを見たり家族、友達とメールで連絡を取り合うときに不便なところもあるようです。私は持っていきませんでしたが、よく友達から借りて映画のDVDを見て暇つぶし兼勉強をしていました。衣服はあまり持っていかないことを勧めます。
帰国時のほうが渡航時よりも必然的に荷物が多くなりますので、出来るだけいらないものは持っていかない方が良いと思います。私も帰国時は荷物の重量のリミットを8キロもオーバーしてしまいました。
留学先でのお金の払い方や日本からの送金方法についてですが、私はCiti BankのWorld Cashを利用していました。日本から両親の振り込んでくれたお金を現地でそのときの換算レートで現地の通貨で引きおろせるというものです。
イギリスの気候はとにかく悪いということです。ほとんどの日が曇りか雨で私はうんざりしていました。また、一日の内でも天気が変わりやすく、そのためによく周りの友達は体調を崩していました。
大学について感じたこと、大学周辺の治安ですが、大学には多くの国からの留学生がたくさんおり、とても国際的でした。キャンパスを歩いていて英語ではない言語を耳にすることはよくありました。私はイギリスに留学してトルコ人の親しい友達ができ、イギリスのことよりもトルコのことの方が良くわかるというのが実際のところです。ですから、イギリスの大学に留学することによってイギリスだけでなく、その他の特にヨーロッパからの学生と出会い、その国の人々について知ることのできる機会も十分にあると思います。
食事中の食生活についてですが、イギリスの食はまずいということで有名ですが、自分もその通りだと思います。ですからほとんど自分で料理を作ったことがなかった私でしたが、寮で自分で料理をしていました。または寮の近くにチャイニーズレストランがあり、そこで食事をすることもしばしばありました。私はイギリス留学中は料理を美味しいかどうかではなく、食べられるかどうかで判断していました。
留学中の旅行についてですが、イギリスはヨーロッパを旅行できる良い位置にあると思います。私もクリスマス休暇にパリに行きました。私はパリに友達がいましたので、宿泊費・食費はかかりませんでしたが、交通費のたった2万円だけで旅行することができました。また旅行中はいくつものトラブルに遭遇しましたが、そのときに痛感させられたことは英語の重要性です。未熟であれ、不十分であるにしろ、自分が英語を話すことが出来たおかげで、フランスでフランス人に助けを求めて、問題を解決し、無事にイングランドへ帰ることができたからです。
留学して一番よかったことは本当の友達ができたことです。留学して一番つらかったことは自分が英語が話せず落ち込んだことです。 留学する前と留学中の考え方やイメージのギャップについてですが、留学行く前は、留学すると国、文化、生活習慣、宗教、考え方など違う人々と出会い、それを身にもって体験できると思っていましたが、実際に留学してみて、それも体験しましたがやはり人間関係の根本は個人同士の性格や考え方で友達になれると人とそうでない人が分かれるということです。
留学を終えた今感じることは、留学を終える前は日本に帰ってきたときは自分がより日本を客観的にみれるようになり、日本のことがもっと好きになると思っていました。しかし、実際は違いました。 久しぶりに親の手料理を食べた時、家族や友達と再会したとき、布団に寝転がった瞬間、どんな気持ちになるのだろう、感動するのかなと色々と想像していましたが、実際何も感じませんでした。そして今、正直日本という国に対して特別な感情は何一つありません。自分は日本人として本当に自分の国を好きになりたいですし、自分の国に誇りを持ちたいです。しかし、今の自分の感情を偽ることはできません。帰国後1週間、言い表すことの出来ない奇妙な感情におそわれ、またこのことをずっと悩んできました。
今自分が思う事はこの原因は自分が日本人でありながら日本のことを良く知らないということです。 例えば、人間関係において相手のことを良く知れば知るほどその人のことを良く理解し、好きや嫌いといった感情が強くなってくるものです。結局はそれと同じ事だと思います。ですから、今後、日本のことをもっと好きになるために、日本のことを勉強し、もっと良く知って、理解できるように努めていきます。
今回の留学を今後どう活かしていきたいかですが、先ほど述べたとおり、日本のことを良く知って、日本のことが心から好きになった上で、留学で経験・感じたことも活かしつつ、かねてからの目標の、日本を外国人に紹介することを実践していきたいと考えています。