イギリス
ウェストミンスター大学2004年度後期K.Kさん(女)
- 期間
- 2004/9/2-2005/2/28
- 所用経費(1ヶ月)
-
宿泊費 78,000円 食費 7,000円 交通費 10,800円 図書・学用品 2,000円 衣服費 4,000円 教養娯楽費 2,000円 雑費 4,000円 合計 107,800円 - 渡航・帰国費用
- 140,080円
- 授業料
- 435,472円
- 換算率
- 1ポンド=200円
住宅について
ロンドンは物価が高く、留学生にとって探すのは難しい。一年以上留学する人は寮に入ることができるが、かなり多人数のシェアなので、騒音などがひどいらしい。ロンドンについて英語がまだ不自由だと感じる人はJapan centreの掲示板でまず探してみるといい。その後は大学のAccomodation Centreなど探す方法は沢山ある。ただし、いい物件はすぐに決まってしまうので注意。ホームステイは人によってその考え方がバラバラ。まずは「アメリカのホームステイとは全く違う」「下宿する」という感覚で住むほうがよい。 しかも結構高いので日本にいる間に2週間〜1ヶ月のホームステイを予約しておいて現地で本格的に住むところを探すのがいい方法だと思う。もちろんホストマザーががいい人でこれからも住みたいと思うなら直接値段の交渉をしてみてもいいかもしれない。
医療について
1年以上留学するなら誰でも医療費は無料になるそうだ。結構イギリス自慢の医療制度らしい。私は保険会社のすすめる日本人の病院に行ったことがあるが、問診だけで薬を出されすごく戸惑った。日本の薬は海外のものよりも弱く作られているためそういう症状がでたのだろう。薬はできるだけ持っていた方がよいと思う。
治安・衛生について
治安ははっきり言って悪いと思う。新聞では載せられないくらいたくさんの殺人事件が毎日起こっているそうだ。さらに日本人=お金持ちという考えがあるようで、日本の駐在員をねらった窃盗事件なども発生している。しかし昼間歩く分には安全だし、真夜中に一人でぶらぶら歩いたり、高そうなものを持ち歩いたり治安の悪い地域に一人で行かない限り大丈夫だ。「自分の身は自分で守る」ということを忘れずに。公衆トイレは日本より清潔なところもある。とても汚くて困った、という経験はない。水道水も飲めるし、問題ないと思う。
受講科目
English Language
期間
2004/9/13-2004/12/10
授業内容・到達度
ひとクラスに3人の先生が1週間に交代で授業を行い、そのうち1人の先生が担任となってクラスを支える。教科書にそって授業は進んでいくが、ときどき金曜日には授業がわかっているか確認するための復習テストも行われる。先生やレベルによって様々だが、私のクラスは会話力と文法力を重視された。
新聞の小さな記事を自分で選んで時間内に読み、自分の言葉に変えてみんなの前で発表する練習や、BBCの朝のニュースを先生が録画してきてくれ、みんなで聞きとる練習、クラスメイトにインタビューしてその人についての文章を作成する連取など、毎日が楽しかった。
私は文法が苦手、しかも日本であまり勉強していなかったため、最初はついていくのがやっとだったが、だんだんと自信もついていき、最後にはクラスの中でも上の方になれたと思う。担任の先生がとても良い方で、文法が苦手だと相談するといい参考書を教えてくださったり、どうしたら英語がすぐ身に着くかなどのアドバイスももらった。 このウエストミンスター大学の語学学校はロンドンでとても評判がよく、環境もすばらしいそうだ。
Winter School of English
期間
2005/1/10-2005/2/4
授業内容・到達度
二人の先生がクラスを受け持つ。うち一人が担任の先生。一ヶ月の短いコースなので、教科書はコピーを使った。レベルがAdvanced levelになったこともあり、ディベートする回数が増え、その内容も濃くなっていった。少年犯罪のことや環境破壊のことなど、少し重いテーマが多かったが、クラスメイトはとても真剣でおもしろかった。教えてもらうイディオムなども前のクラスと比べて倍以上に多くなり、ついていくのも必死だったが、このクラスで1ヶ月間がんばれた。ここで習ったことは何度も復習していきたい。
留学を終えての感想
留学をする前、私はたくさんの人を頼って自分で行動するということをしていなかった。
そのため、ロンドンに着いた時、本当に一人でどうしたらいいかわからなかった。料理も母に教えてもらうことも忘れていたし、パソコンの使い方もままならず、さらには言葉も通じず、最初の1ヶ月はサバイバルに近かった。学校が始まると人と出会うことで緊張はほぐれていった。
しかし、私はクラスのなかでもレベルは一番下、先生の言っていることが聞きとれず、文法もめちゃくちゃで、私がなにかを喋るとクラスメイトに笑われたりもしていた。悔しいと言う気持ちと、ロンドンにこれから半年住まなくてはならないという危機感。この2つが私を英語漬けに追い込ませた。幸いウエストミンスター大学の図書館はたくさんの英語を勉強できる教材がおいてあり、リスニングもヘッドフォンをつけて学習することができる。最初の3ヶ月は学校が終わると図書館にかけこんで勉強していた。
この3ヶ月で私の会話力は随分上がった気がする。クラス構成は最初の3ヶ月間は日本人4人、中国人4人、フランス人1人の計9人。日本人、中国人は学校全体でみても多かった。しかし、先生の教え方や教材はとても質が良く、本当に勉強したいという人には最適の学校だと思う。
1月からのWinter CourseはAdvanceLevelのクラスに入ることができ、ついていけるのか少し不安な部分もあったが、クラスメイト達の雰囲気がとてもよく、1ヶ月のコースとは思えないほど充実していた。やはり上のレベルにいけばいくほど、いい人達に出会えた。
そもそも、私がロンドンを選んだ理由。それは一級のエンターテイメントを観たいと思ったからだ。
事実ロンドンは毎晩ミュージカル、ダンス、演劇が上演されている。歩いていると必ずどこかの劇場にたどりつく。私はダンスが好きだったのでよくロイヤルバレエを見に行っていた。「ロイヤルなんて高いのでは?」と思う人もいるだろうが、当日の朝に並べば7ポンド(約1400円)からチケットが買える。見た作品はどれもすばらしく、ホールから出た後もずっと夢見心地にさせられた。他にはミュージカルの「ライオンキング」、蜷川幸雄がロイヤルシェークスピアカンパニーの俳優達を使った「ハムレット」などを見た。
また、ロンドンはほとんどの美術館・博物館が無料で見られる。ナショナルギャラリーとテートモダンは10回以上行った。どちらも一級の作品たちが置かれていると思う。一日ではまわりきれないからこそ、留学しているときにじっくり観ることが出来て本当によかった。大英博物館・V&A博物館も素晴らしい。
さらにフランスに行き、ルーブル美術館、オルセー美術館、ピカソ美術館をまわり、遠出してモンサンミッシェルも訪れた。ルーブル・オルセーにも素晴らしい作品が置いてある。ミロのヴィーナスなどを間近で観た時は本当に感動した。彫刻にあまり興味はなかったが、それをきっかけにしてロンドンに帰ってからはV&A博物館に行ってよく彫刻をみるようになった。モンサンミッシェルは時が経っていくごとに様式の異なる建物が建てられており、建築にも興味がわいた。
留学してこういった素晴らしいものを見たこと。それは私の一生の財産になった。誰でも気軽に美術館に入れるということはとても身近に芸術が存在しているということだ。こういった美術館が日本にもできればいいなと思う。今回の留学で私は沢山の文化の違いについても日々の生活を通して感じていた。
ロンドンはいろんな国の人たちでいっぱいだ。地下鉄に乗っていてもみんなの顔の色はそれぞれ違うし、喋る言葉も英語だけでない。サリーを着た女の人が通り過ぎていくこともしょっちゅうある。マーケットに行くと様々な摩擦が生まれ、たくさんの問題が発生している。それでもみな共存し、互いに強力しあって生活している。
また、私は後半の3ヶ月間、韓国人の方達とハウスシェアすることになった。隣同士の国ということもあり、お互い親近感があったが、やはり国が違うと考え方も違った。 特に食べるものなどは全く違う。辛くて食べられないものもあったが、逆に私が作るものも韓国の友達は食べることができなかった。しかし、皆とてもやさしく、お兄さんやお姉さんのようだった。違う国の人と住むことで相手の国を知り、また相手を通して自分の国を知ることができた。
日本は「個人主義」の社会になっている。核家族化して他人が助けを求めているのに無視する人もたくさんいる。「家族」という小さな関係から「世界」という大きな関係まで、重要なことは「協力する」ということだと思う。文化・宗教など説明してもわからない部分はたくさんあるが、人間みなやさしいのだとロンドンに留学して気づかされた。重いかばんを持ってくれたり、電車で席をゆずったり、喫茶店で初対面の人なのに相席になると話し掛けてくれたり、私はそういう一期一会を何回も経験してそしてその人達に助けられた。もちろん、たくさんの親友達も私を励ましてくれた。
半年間の短い留学生活だったが、英語だけではなく、素晴らしい体験をいくつもすることができた。これからこの体験を自分の糧にしてさらに成長していきたい。
これから留学を考えている人へ
衣食住
服はサイズが合わず、下着などは特に大きいのでなるべく持っていくことをお勧めします。靴下は日本のものの方が質がいいです。裁縫セットは必須。 イギリスの料理はまずいとよくいいますが、私はそんな風に感じませんでした。といってもちゃんとしたイギリス料理を食べたことはありません。中華・タイ・べトナム・ポーランド料理など多国籍料理は安くておいしかったです。日本食が恋しくなったら日本食のスーパーなどがピカデリーサーカスに何軒かあるので訪れてみてもよいでしょう。
渡航方法
私はシンガポール航空を使いました。しかし待ち時間が長かったり、帰りはシンガポール〜大阪の途中でバンコクに行って降りなければいけなかったりととてもしんどい思いをしました。噂では大韓航空が待ち時間が短くていいそうです。直行便だったらJALかBritish Airways。
学生生活
学校は図書館が充実しており、1時から2時までは無料で授業をするランチタイムクラスというものがあります。そこでは毎回先生が英語の発音やイギリスの文化・歴史など違うテーマで授業をしてくれます。しかし、先生の話すスピードが結構速く、最初はつまらないかもしれません。自由参加なので自分の勉強するスタイルに合わせてとってみてください。学校のインターネットは非常に使いやすい環境です。日本語入力もできました。ロンドンのいたるところにインターネットカフェがあるので、パソコンはいらないかもしれませんが、持っていっても損はないと思います。
日本人が多いのはどこの国も同じ。私もロンドンでたくさんの日本人グループを見ました。日本人同士助け合うことは大事ですし、情報交換という意味でも日本人の友達を作ることは有効だと思います。だけど自分がなぜここに来たのか、何をしたいのかということを頭においておくことが必要なのではないでしょうか。
その他、日本に興味を持ってくれているイギリス人は意外と多いです。イギリス人と交流したいという人はエクスチェンジといって日本語を教えてあげて英語を教えてもらうというプログラムに参加してみてもいいでしょう。Japan Centreに行くとそういった広告を発見することができます。
また、大学のジムなどに行ってみてもいいと思います。私はそこでクラシックバレエの先生(といっても生徒です)と仲良くなりました。
アドバイス
せっかく違う国に来ているのだから、その国のいろんなものを吸収してきてください。誰でも留学できる時代にはなったけど、モノにできるのはわずかな人間だけだと思います。お互いがんばりましょう。ありがとうございました。