卒論 最終原稿執筆要項

1 文体

「〜です。〜ます。」ではなく、「〜である。〜ている。〜となった」という文体をもちいる。

2 長さと企画

横書きで1ページ 40字 X 25行 (1000字)とする。左の余白は25ミリとる。原則として最大で2万字(20ページ)まで。これには脚注や参考文献、図表を含む。

3 構成と見出し表記

 卒論は以下の主要部分から構成される。

    はじめに

    本文
    結論
    参考文献
    巻末資料(必要に応じて)

はじめにでは、卒論で取り上げる問題を提起し、なぜその課題を取り上げるのか、その意味を説明する。あわせて卒論で解明する課題の内容を明らかにする。そして手短に結論を提示する。

本文は普通であれば3ないし4のしょうからなる。

結論は「はじめに」でとりあげた課題への自分の解答をまとめる。

後での校正作業をやりやすくするために、以下のように大見出し、中見出し、小見出しの3段階の見出し構成を採用する。長さから考えて1つの卒論には3ないし4章くらいが適当。「はじめに」と「結論」には章番号は不要。

例:

1−1

1−1−1

1−2

2−1

2−1−1

2−1−2

2−2

2−2−1

4 脚注・参考文献

本文に書くほどではないが、補足的な説明は、脚注とし各ページの末尾につける。

参考文献の引用

直接の引用は「 」で引用の開始と終わりを明記し、引用する。ただし長い場合は別の段落にしてよい。

例:

女性はグループとして多くのことを成し遂げることができます。情報や知識を分かち合うことによって、互いに学びあうことができるのです。ここの女性の状況を改善するとするなら、女性には力が必要です。つまりお金やそれを思いどおりに使う力が。グループであれば夫の理不尽な行いを止めさせることができます。例えば飲酒、カード遊び、女性にたいする悪口雑言などです。もし一人の女性が、男性が何か理不尽なことをしているのを見つけたら、大声で叫びます。すると他の女性達も出てきて一緒になって叫ぶでしょう。このように女性はグループとして活動を続けていきたいし、互いに学びあいたいのです。もしある女性のいる村の状況が良くなれば、他の村を助けることもできます(大野 [1998] 247ページ)。

このような直接引用以外でも、間接的に示唆を多く受けたり、参考になる文献は本文中に記載すること。

例:

経済市場を円滑に運営するためには、様々な社会システムが必要となる。例えば価格の設定は、一義的には市場が自立的に決定することであるとしても、その市場において価格決定力を有する企業などが、自らの利益確保のために価格を操作する可能性は排除できない。それは先進国においても見られることであり、ましてや情報の伝播が均質的でない途上国においては、そのような公平な競争を害する行為が行われる可能性は少なくない。先進国においてはこのような市場を管理・監視する役割は国家がになっているが、途上国においてはそのような機関の整備は遅れがちである(青木・奥野・岡崎 [1999])。

参考文献

参考文献は日本語を先に、その後英語・外国語の文献をリストとしてつける。文献は一人の著者による場合もあれば、複数の著者による場合もあるが、第一著者の性(名ではなく)を基準に、日本語はあいうえお順に、英語・外国語はアルファベットabc順に並べる。外国文献は、邦訳がある場合は邦訳も原典の後に記す。同一著者の文献が複数ある場合、古い物から新しい物へと並べる。

例:

青木昌彦・奥野正寛・岡崎哲二編著 [1999]『市場の役割・国家の役割』 東洋経済新報社

岩崎育夫 [1998] 『アジアと市民社会――国家と社会の政治力学』アジア経済研究所

絵所秀紀 [1997] 『開発の政治経済学』日本評論社

穂積智夫 [1998]「女性の社会参加と開発」、斉藤千宏編『NGOが変える南アジア――経済成長から社会発展へ』コモンズ

Bates, Robert H. and Anne O. Krueger eds. [1993], Political and Economic Interactions in Economic Policy Reform: Evidence from Eight Countries, Oxford: Blackwell.

Berry, Sara [1993] "Understanding Agricultural Policy in Africa: The Contributions of Robert Bates," World Development, Vol.21, No.6.

Blackburn, James with Jeremy Holland[1998]Who Changes? Institutionalizing Participation in Development, London: Intermediate Technology Publications.

Chambers, Robert [1995] “Paradigm Shifts and the Practice of Participatory Research and Development” in Nelson, Nici and Susan Wright eds.Power and Participation: Theory and Practice. Intermediate Technology Publications

Chabal, Patric and Jean-Pascal Daloz[1999]Africa Works: Disorder as Political Instrument, London: The International Africa Institute

Sen, Amartya Kumar [1981]Poverty and Famines : an Essay on Entitlement and Deprivation, Oxford: Oxford University Press.(黒崎卓・山崎幸治訳[2000]『貧困と飢饉』岩波書店)

5 写真・図表

できるだけパソコンを用いて自分で表や図を作成して、文書の間に張り付けることが望ましい。そして図には図番号をふり、本文の適当な箇所にその番号を記すこと。また図表の出典も明記する。

例:

参加型開発の今日的課題は、今まで見てきたように多様な課題を含んでいる。図1に示したように、参加型開発が途上国の人々の主体的参加を意味するならば、それは単に援助機関が実施する開発プロジェクトに参加するという狭い意味を超えて、より広く政治・経済・地域活動への参加の促進が考えられなければならない。

例:

表1 2つのパラダイム:モノと人間


 
モノ
人間
開発の本質
青写真
過程
開発の形態
計画
参加
目標
あらかじめ決定
次第に明確化
政策決定
中央集権
分権化
方法
普遍的に標準化
地域ごとに多様
技術
決まったパッケージ
選択できる
専門家の役割
制御する
エンパワーメントする
途上国の人の立場
便益授与者
主体
成果
インフラストラクチャー
能力構築
行為の過程
トップダウン
ボトムアップ

出典: Chambers, [1995]page 32 をもとに著者が若干変更を加えた。

6 提出方法

  一太郎もしくはWordによって卒論を作成し、表紙や要旨の分も含めて全てを一つのファイルにまとめて提出。後ほどCDROMを作成するため、電子データにしておくと便利。