なぜ「国際文化学部」なのか

科学技術の発達をともなう近代文明は、人類に多くの物質的恩恵を与えてきましたが、同時に、経済性を重視した画一的な価値観を普遍化することにもなりました。このような社会発展のあり方は、経済格差や環境問題、文化摩擦などの諸問題を地域レベルのみならず国際レベルにおいても引き起こしています。このような時代背景の中で、それぞれの地域や民族に固有の文化があり、それらの文化を理解し、尊重しながら全人類が共存できる新しい世界を作り出さなければならない、という考え方が重要になっています。

また、グローバリゼーションの発展にともなう激しい国際競争が日本に経済的繁栄をもたらすにつれて、精神的な面を含めた人と文化の交流が求められ、交流を推進する教育環境が必要とされています。
日本では、経済分野の交流に比べ、文化理解の分野の人材養成と交流が希薄で、健全な国際交流の発展のために国際文化学の確立が急がれています。

龍谷大学では、近代文明の陥った人間中心主義と科学万能主義を批判しつつ、すべての存在の共存性を認識し、かつ、固定観念にとらわれない、バランスのとれた豊かな教養を持つ自律的人間の育成にこれまでつとめてきました。
また、龍谷大学では、「人間・科学・宗教」を教学の基本理念の標語に定め、これら3分野の真の融合を目指して、建学の理念を現代的に展開しています。
このような理念に基づき、国際文化学部では、自己の文化への理解を機軸としながら、異文化を理解し、かつ尊重し、多様な国際的コミュニケーションのできる能力と人格をそなえた人材を育成することを目標としています。


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