担当者 林 則仁
テーマ 図像と装飾デザインを読み解く
講義概要
(演習Ⅰ~Ⅳ)

古代から人類は絵画や彫刻、建物や工芸品、衣服や道具などに図像を描き、装飾(decoration)を施してきましたが、それら図像や装飾は地域や時代の文化、宗教、思想、風土や民族性などの特性を色濃く反映して発展してきました。とくに装飾は「モノ」の表面を美しく飾るというだけでなく、それを作る人、所有する人、関わる人々のアイデンティティの表現であったり、政治的、宗教的な意図や慣習に倣ったものもあります。
本演習ではまず、図像や装飾デザインを考察していく過程において、その表面上の芸術性だけでなく背景にあるものへ視野を広げて理解を深めていくことによってその文化的重要性を認識していきます。また、技法や製作方法や過程、色彩の組み合わせなどにも注目して、あらゆる視点から文化としての美術の価値を理解する力を養います。ゼミの最終目標は、卒業研究を完成させ、「卒業論文」を執筆することです。

到達目標 【演習Ⅰ〜Ⅳ】は、個別に単位認定されます。以下に概要を示しますが、詳細は、担当教員に尋ねるか、年度初めにWEB上に掲載される各シラバスを参照して下さい。
  • (1) 特定の図像や装飾デザインの分析、モティーフや意匠で表現されたものを読み解いて、その表現の意味や理由をあらゆる角度から考察するプロセスを身につける。
  • (2) 特定の図像や装飾の発展・伝播の比較研究をおこなうことで世界の文化のつながりを論じる力をつける。
  • (3)ディスカッションや発表をおこなうことで大学で必要なスタディースキルが身についているか再確認する。
講義方法 演習I・IIでは「装飾とはなにか」や「装飾とは人間にとって必要なものか」などについて考えて装飾の理解を深めます。英語の文献も使用し、英文からも情報収集する状況に慣れてもらいたいと思います。また、周辺の美術館・博物館、さらには京都周辺の寺社や祭りへ足を運び、作例を直接みながら授業をおこなうことも予定しています。
演習III・IVでは、各学生が関心のある地域・時代の作例を見つけ出し、研究計画をたててリサーチ、発表、討論をおこない、次第にそれぞれの研究テーマを練り上げていくようにします。
成績評価の方法 【演習Ⅰ〜Ⅳ】は、個別に単位認定されます。詳細は、担当教員に尋ねるか、年度初めにWEB上に掲載される各シラバスを参照して下さい。
平常点評価(100%)。授業への参加度、課題への取り組みと達成度、プレゼンテーション、レポートなどを評価の対象とします。欠席や遅刻を一定数繰り返した場合は不合格とします。
系統的履修 芸術、歴史、文化、思想などに関する科目を広く履修していることが好ましいです。
テキスト ジョン・バージャー『イメージーWays of Seeing—視覚とメディア』PARCO出版,1986
参考文献 山本正男(編)『芸術と装飾』玉川大学出版部, 1986
E.H.ゴンブリッチ『装飾文化論』岩崎美術社, 1989
エミール・マール『ロマネスクの図像学』(上下)国書刊行会, 1996
アドルフ・ロース『装飾と犯罪—建築・文化論集』中央公論美術出版, 2011
Oleg Grabar, Mediation of Ornament, Princeton Univ. Press, 1992
履修上の注意・担当者からの一言 自らの研究や興味関心だけでなく、ゼミをみんなでいっしょに創っていくことに関心のある学生や積極的に課題や活動に参加する意欲の高い学生を希望します。
身の周りにあるいろんなモノのデザインには、実はそれぞれ歴史や伝統、文化の要素が詰まっています。図像や装飾を学ぶことでそれら一つ一つを見ることがきっと楽しくなるでしょう。このゼミでは美術を楽しめる人や探究心の強い人の履修を歓迎します。