担当者 林 則仁(芸メ用)
テーマ 美術とその表現について
講義概要
(演習Ⅰ~Ⅳ)
#この演習は「芸術メディアコース」所属学生のみ受講可能です(「多文化共生コース」の学生は履修できません)

絵画や彫刻、建築は美術史学の主要な研究対象であり、ダ・ヴィンチやミケランジェロ、光琳や北斎、モネなどの芸術家の作品は世界中で研究されています。また、パルテノン神殿やタージ・マハル、サグラダ・ファミリアなどの建築美術も一つの美術作品であり、その造形表現を論じることも美術史学の研究となります。
本演習では、このような美術作品における表現の方法や制作された時代のスタイルとその変遷の分析、作品で表現されるテーマやモチーフの意味などに注目して美術の専門的な知見を得ることを目的とした研究を行います。また、絵画や彫刻などは一般的に狭い意味での伝統的な美術作品ですが、身の回りのモノのデザイン、広告、アニメーションやマンガ、ファッションや写真なども近年では美術史の射程に収まり、広い意味での視覚芸術の研究が盛んになっています。本演習では、このような幅広いテーマでの研究も推奨し、多角的な視野で美術を読み解く力を養います。
美術の中で表現されるテーマは、宗教や自然、権力、愛、人種やジェンダーから幽霊や妖怪などの超自然現象まで多岐にわたります。したがって、美術のディシプリンを修得するだけではなく周辺諸学の知識や学術的な成果を取り入れながら、自らの視点で作品に表現されるものを読み解く力が求められます。
到達目標 (1)美術の諸相を理解し、その表現の意味や理由をあらゆる角度から考察するプロセスを身につける。
(2)特定のモチーフや表現方法の違いや変化、発展・伝播する過程などの比較研究をおこなうことで美術を論理的に考察する力を身につける。
(3)レポート作成、ディスカッションやプレゼンテーションをおこなうことで大学での必要なスタディスキルが身についているか再確認する。
講義方法 演習I・IIでは美術の表現について理解を深めます。また、周辺の美術館・博物館へ足を運び、作例を直接みながら授業をおこなうこともあります。
演習III・IVでは、各学生が関心のある作品を見つけ出し、研究計画をたててリサーチ、発表、討論をおこない、次第にそれぞれの研究テーマを練り上げていくようにします。研究成果として卒業論文の作成を強く推奨します。
成績評価の方法 平常点評価(100%)。授業への参加度、課題への取り組みと達成度、プレゼンテーション、レポートなどを評価の対象とします。欠席や遅刻を一定数繰り返した場合は不合格とします。
系統的履修 芸術、文化、思想などに関する科目を広く履修していることが好ましいです。
テキスト 特にありません。
参考文献 グザヴィエ・バラル・イ・アルテ著『美術史入門』白水社
ジョン・バージャー著『イメージ-Ways of Seeing-』PARCO出版
エルンスト・ゴンブリッチ著『美術の物語』河出書房
履修上の注意・担当者からの一言 ゼミは学生が主体となってみんなで楽しむものだと思っているので、自らの研究や興味関心だけでなく、ゼミをみんなでいっしょに創っていくことに関心のある学生や積極的にゼミ活動に参加する意欲の高い学生を希望します。