シラバスNo 5
担当者 斎藤 文彦
テーマ 東日本大震災後の日本から考えるグローバルな諸問題の解決可能性
PEC候補生受入 受入可
ゼミ概要 今の世界は目まぐるしい変化に見舞われて いる。地球規模のグローバル化によって、1カ所での出来事は遠く離れた場所の人々にも重大な影響を及ぼすように なってきた。本演習では、現代世界が直面する様々な問題の解決可能性を地球規模において考える。例えば、人口爆発、貧困、環境破壊、ジェンダーなど地球規模の課題は多い。これ らの課題解決には、1つや2つの国々のみが頑張るだけでは解決できず、民間企業、市民団体、さらにわれわれ自身 の取り組みなくしては解決できないという意味において、地球規模な課題となっている。 本演習では、途上国と先進国のあいだで実施される従来型の国際協力についても学ぶが、例えばBOPといわれる民 間企業の役割など新しいテーマにも十分配慮しつつ、進めていく。このような考察から判明する教訓は、我々が貧し い国に「教えてあげようとする態度」ではなく、私たちが恵まれない人々の力強い生き様から「学ぼうとする姿勢」 でもある。何より2011年以降は、東日本大震災を経験した日本自身の将来をみすえた復興問題を考えることも大 切である。 演習実施にあたっては、国連職員としての経験、外務省JICAによる依託事業をふまえ、実際の取り組みをも重視して、演習を進めていきたい。
到達目標 最終目標は、卒業までに国際開発協力やグローバル化というテーマにおいて、外国の大学 の卒業生と比べてみても、引けをとらない「国際競争力を持つこと」である。このことが実は最も効果的「就職対策」で もあり、ゼミ出身者の就職率の相対的高さがそれを示している。
運営方法 演習1においては、貧困や開発の幾つかの重要なテーマを取り上げ文献を検討したり、 ディベートを行う。秋学期には他大学のゼミとの交流を行う。ここ10年ほどは、関西大学や立命館大学と実施してき た。演習2では、学生自らがテーマを設定し、調査研究・発表する。演習3と演習4では、卒業論文作成のための調査研 究を行う。これまで、4年生の夏休みには毎年国内研修を実施してきた。具体的な予定は、受講生の関心事などに応じて 決定する。(ゼミの研修報告は、『国際文化ジャーナル』を参照。)
成績評価の方法 成績評価の基本は、出席はもちろん、ゼミに関連する諸活動への積極的参加である。卒業 論文の評価も大切であるが、近年の卒論タイトルは、担当者ホームページに掲載している(http://www.world.ryukoku.ac.jp/~fumis96/teaching.htmlを 参照)。ゼミ・卒論ともに、成績評価の詳しいことに関しては、授業中に説明する。
系統的履修 できる限り、同じ担当者が提供している「国際開発論A・B」ならびに「国際協力論A・ B」をすでに受講しているか、あるいは演習と同時に履修すること。演習はそれをさらに発展させる。また、「日本と国 際社会A・B」、「平和学入門」、「アジアの経済」、「移民論」、「環境保全論」など、ゼミでの学習と関連する科目 を受講することが望ましい。
テキスト 斎藤文彦 『国際開発論』日本評論社 2005。本体2900円
参考文献 多くの文献が担当者の日本語ホームページに紹介されている。担当者ホームページ参照。
履修上の注意・担当者からの一言 演習全体を通して大切なことは、学生自身の積極的な関与である。これなしに、演習は成 功しない。今までのゼミの先輩は、自主的に勉強や、合宿、学園祭でのイベント企画、また他大学とのディベート対決な ど、多くのことがらを自ら運営し成功させてきた。ゼミ合宿の記録は、毎年刊行される『国際文化ジャーナル』に掲載さ れている。卒業後の進路に関しては、一般就職者が多いが、何人かの卒業生は、国際協力を仕事としており、JICA、 AMDA、マザーハウスなどの職場で活躍している。進路については、希望者の相談に応じる。このような取り組みの結 果、これまでの卒業生はこのゼミに大変満足してきた。ゼミの先輩の様子や、合宿記録などを含め、以下のサイトを参照されたい。
http://www.world.ryukoku.ac.jp/~fumis96/
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2011年12月
関西大学との交流会

2013年5月
4年ゼミ生による自主企画ワークショップ開催

2012年09月
 宮城県気仙沼市訪問

2012年01月
国際文化学部合同卒行論文発表会で、ゼミ生が最優秀卒業論文に選ばれる