担当者 | 泉 文明 |
テーマ | 日本語と日本文化・京ことばと京文化 |
講義概要 (演習Ⅰ~Ⅳ) |
この演習は、「世界と日本」コース所属生のための演習(ゼミ)である。 「ことば」の背景には「文化」があり、それは「社会」「歴史」「民俗」等々と深く広く結びついたものである。日本語には、待遇表現や位相の問題、文末決定性文法の問題、主語や目的語等の省略、慣用句や比喩のとり方等の表現の問題、漢字・ひらがな・カタカナ・ローマ字・アラビア数字等多種多数の文字の併用・混用に発する表記の問題等がある。このように「日本語と日本文化」には多くのトピックと難しさがあり、他者への気遣い・若者言葉・敬語の誤用・あいまい表現・外来語の氾濫等がよく話題になるが、日本語を客観的に観察して、そのことを社会や文化との関係を探究し、日本語の研究や教育ができるようになることを演習の目標とする。この目標を達成するために、日本語の音声・文法・語彙・文字表記・表現・非言語行動等の分野について取り扱う。また、日本語について、自然関係・人間関係・社会関係等さまざまな領域から光を当て、研究を進める。 また、千年の都、ここ京都は、「観光都市」「文化芸術都市」「歴史都市」「学術研究都市」「宗教都市」などと呼ばれる魅力の宝庫である。総本山・勅祭社・総本家・家元・名匠などに代表される伝統と歴史の積み重ねがあり、世界遺産・国宝・重要文化財が集中している。名所・観光・行事・四季折々の風情等々を講義で伝えるだけでなく、実際に体験するべくフィ-ルドワ-クに出かけて、それをまとめあげることも予定している。文学や映画の中に描かれた京都についても対象領域とする。ゼミの最終目標は、卒業研究を完成させ、「卒業論文」を執筆することです。高い目標を設定して、充実感・満足感をもって学生生活を締めくくってほしい。 |
到達目標 | 的確なテーマを見つけ、かつそれを卒業論文へと形付けられる技量を修得する。 【演習Ⅰ〜Ⅳ】は、個別に単位認定される。以下に概要を示す。 【演習Ⅰ/Ⅱ】 ・卒論のテーマ選定と方法論の基礎を確立出来る。 ・クラスメートの関心事に対してのコメント・アドバイス・批判ができる ・世界と日本の文化的なつながりや相互関係に関して理解を深めるようになる。 ・グループ学習や個人研究を通して、研究課題の探究ができようになる。 ・研究課題の探究と研究テーマの発見に向け、適切な方法で資料収集をおこなうことができる。 ・研究レポート提出のための途中経過報告を決められた書式や方法で口頭発表することができる。 【演習Ⅲ/Ⅳ】 ・自己の研究テーマの決定と個別テーマに沿った卒業研究を的確におこなうことができる。 ・卒業論文提出に向けた先行研究に関する資料収集を適切な方法でおこなうことができる。 ・卒業研究を完成し、自己の研究テーマについて一定の方法論と知識を獲得することができる。 ・クラスメートの発表や意見交換会を通して、議論する力やアドバイス力・コメント力が身に付く。 |
講義方法 | 講義形式と発表形式とをおりまぜながら展開していく。「卒業論文」の作成を目指して研鑽を積むことになるが、完成時には大きな達成感と自信を与えてくれるであろう。最初は、「大学生活後半をいかに生きるか」「今しかできないことなすべきことは何か」「好きな物事・得意な物事・社会貢献できる物事は何か」等について全員で考える。後半には個別の研究発表に移行し、最終的には自分で設定した研究テーマの発表を行う予定である。また、学外ゼミを前後期に行う予定である。 |
成績評価の方法 | 【演習Ⅰ〜Ⅳ】は、個別に単位認定される。卒論の中間発表やレポ-ト・その他、受講態度や勉学に対する姿勢等を総合的に勘案し評価する。なお、演習ⅠおよびⅡにおいてはレポートを課すことを予定(未定)している。その主な内容は授業時に触れたことや、文献研究・フィ-ルドワ-ク等から得た成果を問うものであり、卒論作成の礎となるものである。 |
系統的履修 | 国際文化学科で用意されている<文化><言語>に関連する科目全般。教養科目やコンソーシアム科目も含む。 |
テキスト | ・金田一春彦『日本語〈上〉〈下〉』(岩波新書) ・泉 文明『京ことばとその周辺』(晃洋書房) |
参考文献 | ・玉村文郎『日本語学を学ぶ人のために』世界思想社 ・玉村文郎『新しい日本語研究を学ぶ人のために』世界思想社 ・松原広志・須藤護・佐野東生編『文化交流のエリアスタディーズ―日本につながる文化の道 ・宮地 裕『講座 日本語と日本語教育』明治書院 ・堀井令以知『京都語を学ぶ人のために』世界思想社 その他、ゼミ生の興味・関心に応じて個別に指示。 |
履修上の注意・担当者からの一言 | まじめに積極的に取り組む学生の参集を期待する。 演習は、教員からの連絡だけでなく、学部、大学から学生への情報提供の場でもあるので、欠席しないこと。 |