担当者 | 佐野 東生 | |
テーマ | グローバル時代の多文化共生を考える―― 宗教文化・イスラーム・国際情勢 | |
講義概要 (演習Ⅰ~Ⅳ) |
この演習は多文化共生コースの一環として、英語をはじめとする多言語による相互理解、コミュニケーションを基に、共生と摩擦回避のあり方を考えます。日本内外の多文化交流を理解し、その中でグローバルに広がるイスラームなど宗教文化との様々な関係、また移民社会や国際情勢との関係を考察します。このため、演習Iでは学生に入門講義と文献講読を行い、演習における学生の研究テーマを無理なく決められるように相談していきます。演習IIでは文献講読・議論をする中でテーマを決めていき、学生によっては日本内外でフィールド調査を実施して、発表を行います。 研究テーマは、1)仏教からキリスト教、イスラームに至る宗教文化、2)移民を含む多文化社会のあり方、3)国際情勢と政治経済の3分野をベースに、①奈良・正倉院から広がるシルクロード文化史など芸術文化、②一神教と多神教の比較・対話など宗教文化、➂ファッションやハラールフードを含む衣食住の文化、④海外からのインバウンドなどの観光対策、⑤アメリカ・カナダやヨーロッパの移民社会の比較、⑥アメリカと中東の関係など国際情勢、⑦石油エネルギー問題など国際政治経済といった多様なトピックの中から絞っていきます。演習III・IVでは、これまでの研究を基に学生のテーマに応じて文献講読と議論を行い、最終プレゼンテーションを経て、卒論を完成させていきます。 |
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到達目標 | 演習I・IIの目標:①演習での講読、議論に慣れ、自分の研究テーマを決めていくこと、②グループ発表、プレゼンテーションを行い、自分の研究テーマをレポートにまとめること、③文献・フィールド調査などを通じて多文化共生の必要性を実際に知ること 演習III・IVの目標:①自分の研究テーマをさらに究明して最終プレゼンテーションを行い、形式、内容ともに完成された卒論を作成すること、②知識や研究方法を含め、演習で得たものを社会で生かしていくこと |
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講義方法 | 第一セメスターでは、コースの教育内容を前提に、学生の関心や疑問に対応して、ネットなどを有効に利用しながら、入門講義、文献講読(日本語・英語)を行い、無理なく演習テーマに慣れてもらいます。実践プログラムIでやったように、関心の近い学生をグループ分けし、発表や議論を行う予定です。議論を通じて知見を高め、機会があれば博物館、レストランなどを訪問します。第二セメスター以降、各自の研究テーマを具体的に絞っていき、発表します。第三・第四セメスターでは、文献講読と議論をする中でこれまでの研究テーマをさらに追及していき、最終発表とレポート提出を行います。 | |
成績評価の方法 | 演習I:演習での文献講読、グループ発表、議論などのパフォーマンスで総合評価 演習II:演習での文献講読、議論のパフォーマンス、およびフィールド調査を含む研究の達成度を総合して50%、プレゼンテーション、期末レポートを総合して50% 演習III・IV:演習への参加・達成度50%、卒論に向けたプレゼンテーション50% |
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系統的履修 | 多文化共生入門、その他宗教文化関係をはじめ多文化共生コースの基礎・専攻科目、語学セミナー科目 | |
テキスト | 講義の際に、テーマに応じて適宜プリントを配布 | |
参考文献 | 久松 英二・佐野 東生共編著『多文化時代の宗教論入門』ミネルヴァ書房 2017 佐野 東生『近代イラン知識人の系譜』 ミネルヴァ書房 2010 堀口 一史『アメリカと宗教 保守化と政治化のゆくえ』中公新書 2010 由水 常雄『正倉院ガラスは何を語るか』中公新書 2009 杉村 棟『絨毯:シルクロードの華』朝日新聞社 1994 |
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履修上の注意・担当者からの一言 | 留学経験者を歓迎します。演習の一環として、学生の希望によってモスクや博物館などに行き、日本における多文化共生について体験します。なお、演習では英語とともに、語学セミナーで開講している多言語(特にイスラーム系のアラビア語、ペルシア語、トルコ語)も、学生の自由に任せて奨励します。 | |
PHOTO | ![]() テヘランのファッション博覧会にて。 |