担当者 カルロス、M.R.D.
テーマ 少子高齢社会日本における外国人労働者受け入れ政策
講義概要
(演習Ⅰ~Ⅳ)

この演習は、「世界と日本」コース所属生のための演習(ゼミ)です。

少子高齢化が急速に進行している日本において、外国人と経済との関わりはまずまず強くなると思われる。それは、外国人が、観光者のような「消費者としての外国人」、そして人手不足の産業で働く「労働者としての外国人」の二面を持っているからである。そのため、日本社会ではさらなる外国人の活躍が必要であるかについて大きいな社会的関心を引いており、本ゼミでは主に経済学の観点から外国人観光者と労働者を巡る諸問題を検討する。

本ゼミでは以下の三つのテーマのクラスターを中心に学ぶ予定である。

  • 外国人労働者については、受け入れ国(とりわけ日本)は誰をどのように受け入れるか、外国人労働者をなぜ受け入れるか、外国人受け入れ政策をどのように管理するのか。また、送り出し国(とりわけフィリピン)はなぜ労働者を海外に送り出し、その社会と経済にどのような影響を与えているのかを考察する。
  • 外国人観光者については、外国人観光者は消費行動を通じて受け入れ国(とりわけ日本)の国民経済や関連するサービス産業に対してどのような影響を与えているのか、また受け入れ国はどのような外国人労働者や外国人観光者政策を導入すれば有効で持続的な経済発展につながるのかを検討する。
  • 上記の①と②に取り込む際の手法として、フィールドワーク・Project-Based Learning の基礎を学び、実践する。

本ゼミの受講生には以下のことを要求する。

  • 経済学と国際人口移動両方に興味・感心を持っていること。
  • 授業でクリティカルシンキング(批判的思考)およびディスカッション能力を発揮すること。(評価対象)
  • 日本における外国人労働者と観光者の実態を把握するためのフィールドワークを2回以上実施し、得た情報をまとめて客観的に分析すること。
  • 上記で述べた3つのテーマに関する課題を一つ選び、視点を絞って研究・フィールドワークを行い、その成果を卒業論文にまとめること。
到達目標 【演習Ⅰ〜Ⅳ】は、個別に単位認定されます。以下に概要を示しますが、詳細は、担当教員に尋ねるか、年度初めにWEB上に掲載される各シラバスを参照して下さい。
【演習Ⅰ/Ⅱ】では以下の到達目標を設定している。
  • 日本における外国人労働者および観光者の現状や抱えている問題を知り、経済学の視点でこれらを口頭発表やディベート、やクラスでの討論を通して論理的に考察することができる。
  • 様々な質的・数量的調査方法(インタビュー・アンケート調査・観察など)の基礎を学び、実践することができる。
  • Project-based learningの基礎を学び、実践することができる。
  • 一つの研究テーマを設定・調査し 、先行研究を整理し、プレゼンを行い、最後に3000字以上の研究レポートにまとめることができる。
【演習Ⅲ/Ⅳ】では以下の到達目標を設定している。
  • 日本における外国人労働者および観光者の現状や抱えている問題についてさらに知識を深め、経済学の視点でこれらを口頭発表やディベート、グループワークやクラスでの討論を通して論理的に考察することができる。
  • 自己の研究テーマの決定と個別テーマに沿った卒業研究を的確におこない、卒業論文提出に向けた先行研究に関する資料収集を適切な方法でおこなうことができる。最後に卒業研究を完成し、自己の研究テーマについて一定の方法論と知識を獲得することができる。
講義方法 本演習では、学生を主体に様々な講義方法を取り入れる予定である。最初は、調査の方法やテーマに関する講義形式で行いますが、徐々にグループワークやディベート、フィールドワーク、プレゼンなど学生を中心とした学びのスタイルに移行し、最終的には自分で設定した研究テーマの発表を行いたいと考えています。なお、Project-based learning(有志ある学び)では、学生ら自身が現地で問題・課題を発見し、それに対して解決策を考え、それを口頭発表のほかにパンフレットなどの製作にまとめる作業の一連である。
成績評価の方法 【演習Ⅰ〜Ⅳ】は、個別に単位認定されます。詳細は、担当教員に尋ねるか、年度初めにWEB上に掲載される各シラバスを参照して下さい。
以下を目安として総合評価します。
 平常点(グループワークや討論会での参加)40点
 個人・グループ課題の提出 40%
 期末レポートまたは試験 20点
系統的履修 外国人労働者や外国人観光者に関する理論的な枠組みや現状を理解するために「現代経済と文化」、「国際人口移動」、「パン・パシフィックの移民」の授業を受講することが求められている。
テキスト 特に指定しない。
参考文献 毛受敏浩 (2017)「限界国家」朝日新聞出版
その他、必要に応じて授業で紹介する。
履修上の注意・担当者からの一言 演習は、教員からの連絡だけでなく、学部、大学から学生への情報提供の場でもありますので、毎回出席することが求められています。また、グループワークと課題が多いゼミですが、これらを通じてコミュニケーションスキルが向上するだけでなく、学生の間、そして学生と教員の間の距離感が短くなると期待しています。楽しくやりましょう!