担当者 | 久松 英二/佐野 東生 |
テーマ | 比較宗教文化の実践的理解―世界遺産・ツーリズム・ホスピタリティ |
講義概要 (演習Ⅰ~Ⅳ) |
この演習は多文化共生コースの一環として、久松・佐野が共同で担当します。内容は、英語をはじめとする多言語による相互理解、コミュニケーションを基に、キリスト教、イスラーム、仏教をはじめとする世界の宗教の比較文化的究明を目指します。まず第一に、今年度ユネスコで承認された長崎のキリスト教関係遺産など日本内外の宗教関係の世界文化遺産の理解と研究を強調します。第二に、これに関連した国際ツーリズムについて、宗教文化都市である京都など関西地域へのインバウンド、すなわち海外からの異文化を持った観光客への対応のあり方、また日本から海外へのアウトバウンドのあり方を研究します。さらに、宗教の根本にあり、これらテーマとも関連したホスピタリティ、すなわち精神的・物質的にサービスする「おもてなし」文化について、具体例を挙げながら考察します。これらを通じ、宗教文化の「裾野」の広さと可能性を理解し、キリスト教とイスラームなど諸宗教の比較・対話にも関心を持って取り組んでいくことが望まれます。 演習Iではまず学生に入門講義と日本語、英語による文献講読を行い、演習における学生の研究テーマを無理なく決められるように相談します。また図書館ツアーで専門的文献検索を学びます。演習IIでは学生自身が選んだ文献の講読・議論をする中各自のテーマを決め、学生によっては日本内外でフィールド調査を実施して発表を行います。研究テーマは基本的に学生の興味に任せますが、以下のようなテーマがお勧めです。①ヨーロッパやアジアの宗教とも関係する世界文化遺産の研究(できれば実践プログラムIIなどで実際訪問することが望ましい)、②世界遺産と関係する絵画や建築物、文学や工芸品など芸術文化、③ツーリズムについて京都など関西地域へのインバウンド、ヨーロッパやアジアへのアウトバウンドに関連する様々なテーマ、④ホスピタリティについてインバウンドの「おもてなし」のあり方や心身の「癒し」のあり方を含む多様なサービスの研究、⑤これらを総合した諸宗教の交流・対話のあり方など。演習III・IVでは、これまでの研究を基に学生のテーマに応じて文献講読と議論を行い、最終プレゼンテーションを経て、卒論を完成させていきます。 |
到達目標 | 演習I・IIの目標:①演習での講読、議論に慣れ、自分の研究テーマを決めていくこと、②プレゼンテーションを行い、研究テーマをレポートにまとめること、③文献・フィールド調査を通じて多文化共生の必要性を実体験し、宗教文化などへの理解を深めること 演習III・IVの目標:①自分の研究テーマをさらに究明して最終プレゼンテーションを行い、形式、内容ともに完成された卒論、または最終レポートを作成すること、②知識や研究方法を含め、演習で得たものを社会で生かしていくこと |
講義方法 | 基本的に久松・佐野が定期的に交代して共同運営・指導します。第一セメスターでは、コースの教育内容を前提に、学生の関心や疑問に対応して比較宗教文化の入門講義、文献講読(日本語・英語)を行い、無理なく演習テーマに慣れてもらいます。議論を通じて知見を高め、機会があれば日本の関連施設や博物館などを訪問します。第二セメスター以降、各自の研究テーマを具体的に絞っていき、発表します。第三・第四セメスターでは、文献講読と議論をする中でこれまでの研究テーマをさらに追及していき、最終発表とレポート提出を行います。ときに久松、佐野のそれぞれの単独演習との交流も行います。 |
成績評価の方法 | 演習I:演習での文献講読、議論、フィールド調査などの達成度で総合評価 演習II:演習での文献講読、議論、フィールド調査などの達成度50%、プレゼンテーション、期末レポート50% 演習III・IV:演習への参加・達成度50%、卒論、最終レポートに向けたプレゼンテーション50% |
系統的履修 | 多文化共生入門、多文化共生と宗教、その他観光関係の講義 |
テキスト | 演習で扱うテーマに応じて適宜プリントを配布 |
参考文献 | 久松 英二・佐野 東生編『多文化時代の宗教論入門』ミネルヴァ書房 2017 その他演習において紹介していく予定 |
履修上の注意・担当者からの一言 | 異文化への好奇心の強い人、海外留学の経験ある人(留学予定を含む)を歓迎。比較宗教文化といっても多様な分野があり、学生の興味に合わせていくので固く考えないでけっこうです。共同運営の演習なので教員によりいろいろ違いがあり、かえって新鮮かもしれません。なお、演習では英語とともに、語学セミナーで開講している多言語も、学生の自由に任せて奨励します。また、キャリア関係を重視し、キャリアセンターでの実習も行う予定。 |