担当者 林 則仁
テーマ アートを読み解く
講義概要
(演習Ⅰ~Ⅳ)
古代から現在まで人は絵や彫刻、建物や工芸品、衣服や道具などのアートを制作してきましたが、それらにみる図像、モチーフ、色彩などは、その地域・時代の文化、社会、宗教、思想、風土や民族性などの特性を色濃く反映していると同時に、他の文化との直接/間接的なつながりを伝えてくれます。これまでのアートの研究は「西洋美術」「インド美術」など特定の地域内でのアートの変遷を主にみてきましたが、人とモノの交流によって古代からアートはグローバルにつながっていたことがわかってきたことにより、近年では地域を超えた視野でのアートの学びが求められるようになりました。固有の地域や民族の伝統美術と考えられているものやそれを構成する要素には、実は多くの文化交流の足跡が残されています。それらを紐解いていくことで、グローバルな視野でのアートのつながりの重要性を学びます。
本演習では、アートをグローバルな視野で考察していく過程において、その表面上の芸術性だけでなく背景にあるものへ視野を広げて理解を深めていくことが重要です。また、技法や素材、製作過程や色彩の組み合わせなどにも注目して、あらゆる視点から文化としてのアートの価値を理解する力を養います。ゼミの最終目標は、卒業研究を完成させ卒業論文を執筆することです。
到達目標 (1)特定のアートの諸相を理解し、その表現の意味や理由をあらゆる角度から考察するプロセスを身につける。
(2)特定のアート作品やモチーフの発展・伝播の比較研究をおこなうことで世界の文化のつながりを論理的に考察する力を身につける。
(3)レポート作成、ディスカッションやプレゼンテーションをおこなうことで大学での必要なスタディスキルが身についているか再確認する。
講義方法 演習I・IIでは「グローバル・アートヒストリー」や「多文化交流」などについて考えてアートにおける文化交流の意義の理解を深めます。また、周辺の美術館・博物館、さらには京都周辺の寺社や祭りへ足を運び、作例を直接みながら授業をおこなうこともあります。
演習III・IVでは、各学生が関心のある地域・時代の作例を見つけ出し、研究計画をたててリサーチ、発表、討論をおこない、次第にそれぞれの研究テーマを練り上げていくようにします。
成績評価の方法 平常点評価(100%)。授業への参加度、課題への取り組みと達成度、プレゼンテーション、レポートなどを評価の対象とします。欠席や遅刻を一定数繰り返した場合は不合格とします。
系統的履修 芸術、文化、思想などに関する科目を広く履修していることが好ましいです。
テキスト 特になし
参考文献 講義時に提示する
履修上の注意・担当者からの一言 ゼミは学生が主体となってみんなで楽しむものだと思っているので、自らの研究や興味関心だけでなく、ゼミをみんなでいっしょに創っていくことに関心のある学生や積極的にゼミ活動に参加する意欲の高い学生を希望します