担当者 徐 光輝
テーマ 東アジアの地域文化研究
講義概要
(演習Ⅰ~Ⅳ)
この演習は、「世界と日本」コース所属生のための演習(ゼミ)です。
国際文化交流や異文化への理解と尊重には、幅広い比較研究の知識と考察力が求められるが、その基礎となるのはまず地域文化に関する系統的な知識です。
本演習では、中国大陸、朝鮮半島、日本列島を含む東アジアの地域文化に焦点を当て、考古、歴史、民族、民俗、言語文字等の史・資料をもとに、衣・食・住・行(遠近距離移動)をはじめとする基層文化について調査分析を行ないます。また、関心のある地域文化を理解した上でさらに諸地域の比較研究へ進み、地域間文化交流が行われた原因、プロセス、理論模式を探っていく問題意識と専攻意欲を重視し、適切な指導を行います。
到達目標 【演習Ⅰ〜Ⅳ】は、個別に単位認定されます。以下に概要を示しますが、詳細は、担当教員に尋ねるか、年度初めにWEB上に掲載される各シラバスを参照して下さい。
演習生が、独自に問題点を見出し解明することができる。
【演習Ⅰ/Ⅱ】
  • 共通の研究テーマと関心のある自己研究テーマを設定し、文献史料、調査研究報告書、研究論文等に対する文献講読を行い、発表討論を重ね、一定の専攻意識のあるレポートや小論文を作成することができる。
【演習Ⅲ/Ⅳ】
  • 一定の専攻知識をもとに、自己の研究テーマに沿った卒業研究を的確に行うことができる。
  • 卒業論文提出に向けた先行研究に関する史・資料収集と分析作業を適切な方法で行うことができる。
  • 卒業研究を完成し、自己の研究テーマについて一定の方法論と知識を獲得することができる。
講義方法 演習は、大学生活の集大成である「卒業論文」の作成と密接に関わっています。「自分は大学でこれを勉強した」という達成感がその後の人生の糧となることは間違いありません。少し高い目標を設定して頑張るところに自然に仲間や情報が集まってきます。
最初は、当方からの話題提供をもとに文献講読や発表討論で行いますが、徐々に個別の研究発表に移行し、最終的には自分で設定した研究テーマの発表を行いたいと考えています。
また、本学ミュージアムのほか、近畿地方の世界遺産をはじめ、考古・歴史・民俗系博物館に足を運び、実物資料を通して日本と東アジアの地域文化に触れる機会を作りたいと考えています。
成績評価の方法 【演習Ⅰ〜Ⅳ】は、個別に単位認定されます。詳細は、担当教員に尋ねるか、年度初めにWEB上に掲載される各シラバスを参照して下さい。
平常点(30%)、口頭発表(30%)、 レポートその他提出物等(40%) を目安として総合評価します。
系統的履修 アジアの生活、アジアの文化遺産、東アジアの地域交流、「世界と日本」入門、民俗学、仏教思想など。
テキスト 特に指定しない。
参考文献
  • 松原広志・須藤護・佐野東生編『文化交流のエリアスタディーズ―日本につながる文化の道』(ミネルヴァ書房、2011)
  • 藤本 強著『日本列島の三つの文化-北の文化・中の文化・南の文化』 (同成社、2009)
  • 尾形 勇・岸本美緒 編『 中国史 』(山川出版社、1998)
  • 武田幸男編『朝鮮史』 (山川出版社、2000)
  • 佐藤 信『世界遺産と歴史学』(山川出版社、2005)
  • 鈴木公雄著『考古学入門』 単行本(東京大学出版会、1988)、など。
履修上の注意・担当者からの一言 人はある土地に生まれ、その自然と人文環境の中で育ち、また周辺地域との交流を通して視野を広げながら問題意識を持つようになります。まず自分が生まれ育った地元の歴史文化をよく理解してから地域または国境を超えた人間文化を学んで行きましょう。