担当者 | 鈴木 滋 |
テーマ | 人と自然の関係をめぐる人類学 |
講義概要 (演習Ⅰ~Ⅳ) |
この演習では、人と自然の関係の国際文化的側面を人類学的に明らかにすることを目的とする。人と自然をめぐる具体的な関係を明らかにするために、自然、環境、動物、進化、食文化などにかかわる実証的な調査課題を受講生ごとに設定し、卒業論文にむけてとりくむ。文献などの二次情報だけではなく、自らの観察や聞取りにもとづいた第一次情報の収集力と分析力を訓練し、人類学とさらにその関連分野の問題発見力と思考力を身につける。 |
到達目標 | 【全体】フィールドワークからヒトと自然の関係を人類学的に考察する視点の理解 【演習Ⅰ】ゼミでの発表と討論の方法を身につける。そのために、信頼できる情報を収集する技術(文献検索・インタビュー)を会得する。 【演習Ⅱ】各自のテーマにそって調査対象をしぼり、リサーチクエスチョンを策定して、それらのまとめのレポートを作成する。さらに、春休みをつかって各自でフィールドワークなどの調査を進める。 【演習Ⅲ】卒論にむけて計画を見直し、関連する先行研究などの検討を行なう。前期終了時までに卒論のアウトラインを作成し、全体の構成とその進捗状況を確認し、今後必要な具体的作業を確定する。さらに夏休みをつかった調査を計画、実施する。 【演習Ⅲ】演習4では、卒論の内容をゼミで報告する。また、担当教員のコメントを受けて内容を修正する。12月の卒論提出のあと、1月に2・3回生のゼミ生を対象に卒論発表会を行う。 |
講義方法 | ゼミでは、学生が発表を担当する。各学生それぞれの関心に応じて、ゼミでの発表や討論のなかから、各学生個人のテーマと問題設定を練り上げていく。授業時間外の学外のフィールド実習を取り入れる予定。まず、グループで具体的な調査課題を設定して、調査した事実に基づく分析と考察を実習する。さらに、自分の興味をもとに研究テーマをきめ調査方法など具体的な研究計画をたて、自分のえらんだ地域の人や自然を対象としたフィールドワークを長期休暇期間に各自で行なう。また、海外の事例研究のために、日本語のみならず英語の資料の読解にとりくむ。 |
成績評価の方法 | 文献やフィールドワークの調査結果の発表とゼミでのディスカッションへの参加(50%) 具体的事実に基づく論証を含むレポート (50%) |
系統的履修 | 自然人類学概論・環境人類学・環境保全論・自然と文化・国際文化実践Ⅱ(人類学フィールド実習・屋久島研修)他 |
テキスト | 特に指定しない。 |
参考文献 | 山田剛史・林創 2011「大学生のためのリサーチリテラシー入門 : 研究のための8つの力」ミネルヴァ書房(図書館電子ブック有) |
履修上の注意・担当者からの一言 | このゼミは、人と自然にかかわる野外調査をひとりでも行う行動力のある、聞取りやフィールドが好きな学生に向いています。ゼミは大学教育の根幹です。自分の興味にしたがって事物のなりたちを追求すること、つまり研究することは、やりがいのある楽しい作業となるはずです。高校までの教育と異なり、自分で何かをつくり出すことは困難もありますが、それこそ大学生活の醍醐味です。ゼミの仲間との討論をとおして、お互いに理解を深めあう経験は、講義を受け身で聴くだけではえられない経験になるものでしょう。 |