担当者 | 斎藤 文彦 | ||||
テーマ | 多様な事例から考える持続可能な社会の実現 (G+C, G+E, C+E, G+C+E) |
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講義概要 (演習Ⅰ~Ⅳ) |
今の世界は目まぐるしく変化し、さまざまな課題に直面している。とりわけその中でも、現在の大量生産・大量消 費・大量廃棄という資本主義システムを乗り越え、持続可能な社会を実現することは急務である。2015年に国連にお いて採択された持続可能な開発目標(SDGs)は、日本を含めた世界中でこのような持続可能な社会の実現を要請して いるが、我が国における認識は依然として低い。 本演習では、グローバルな視点から、どうすれば物質消費をともなわず、豊かな人生を謳歌できるのか、また同時に世界 中の貧困や格差の問題を解決できるのかを検討する。その際には、なぜ社会的弱者にしわよせが生じるのかという倫理的 考察が不可欠でもある。 このような大きな問いかけを考えるにあたっては、発展途上諸国の開発の経験のみならず、2011年の東日本大震災以 降の復興のあり方を考えることも大切である。 このような理解の上に立ち、演習においては基礎的理解力を付けた後、具体的活動に参加し、そのような活動経験から自 分とグローバル化する諸課題について深く考察する。実践的活動の候補としては、①本ゼミ出身者が運営している NGOアクセスがフィリピンにおいて展開している子どもたちを支援する活動(http://www.page.sannet.ne.jp/acce/index.html)、②同じように先輩が勤務するDariKがインドネシアのカカオ農家と協力して展開しているフェアートレードチョコ レート販売(http://www.dari-k.com/)、③京都市に位置しながら限界集落の課題を新しい視点から解決しようとするおくで(http://sobauchi-okude.jimdo.com/)、があげられる。 |
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到達目標 | 最終目標は、卒業までに持続可能性研究というテーマにおいて、外国の大学の卒業生と比べてみても、引けをとらな い「国際競争力を持つこと」である。このことが実は最も効果的「就職対策」であり、ゼミ出身者の就職率の相対的高さ がそれを示している。 より具体的には、次のようになろう。 * 途上国の開発と東北の復興とは無関係なのではなく、互いに関連していることを理解する。 * フェアートレードなどの実践的活動の経験を通して、問題の奥深さを理解するとともに、課題解決への提案力を身に つける。 * 自分が特に関心をもつ課題については、英語での表現力を身につける。 * 課題解決に必要な共同作業を円滑に行うためのコミュニケーション能力を日本語・英語において高める。 * 卒論は必修ではないが、卒論を書くことにより論理的思考力や文章力の向上が期待できるので、ほとんどのゼミ生に は卒論執筆を期待する。 |
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講義方法 | 演習1においては、貧困や開発また持続可能性についての幾つかの重要なテーマを取り上げ文献を検討したり、ディ ベートを行う。3つの実践的活動の内容を聞いて、自分が参加したい活動を決める。演習2では、学生自らがテーマを設 定し、調査研究・発表する。並行して実践的活動を進める。この時期に他大学のゼミとの交流を行う。ここ10年ほど は、関西大学や立命館大学と実施してきた。演習3と演習4では、卒業論文作成のための調査研究を行う。2008年度 以降の先輩たちの卒論タイトルは、担当者ホームページに掲載している(http://www.world.ryukoku.ac.jp/~fumis96/teaching.htmlを 参照)。これまで、4年生の夏休みには毎年国内研修を実施してきた。具体的な予定は、受講生の関心事などに応じて決 定する。(ゼミの研修報告は、『国際文化ジャーナル』を参照。) | ||||
成績評価の方法 | 成績評価の基本は、出席はもちろん、ゼミに関連する諸活動への積極的参加である。成績評価の詳しいことに関して は、授業中に説明する。 | ||||
系統的履修 | できる限り、同じ担当者が提供している授業をすでに受講しているか、あるいは演習と同時に履修すること。演習は それをさらに発展させる。また、GS学科の他の科目でゼミでの学習と関連する科目を受講することが望ましい。 | ||||
テキスト | 斎藤文彦 『国際開発論』日本評論社 2005。本体2900円 | ||||
参考文献 | 多くの文献が担当者の日本語ホームページに紹介されている。担当者ホームページ参照。 | ||||
履修上の注意・担当者からの一言 | 演習全体を通して大切なことは、学生自身の積極的な関与である。これなしに、演習は成功しない。今までのゼミの 先輩は、自主的に勉強や、合宿、学園祭でのイベント企画、また他大学とのディベート対決など、多くのことがらを自ら 運営し成功させてきた。ゼミ合宿の記録は、毎年刊行される『国際文化ジャーナル』に掲載されている。卒業後の進路に 関しては、一般就職者が多いが、何人かの卒業生は、国際協力を仕事としており、JICA、AMDA、マザーハウスな どの職場で活躍している。進路については、担当者の国連職員としての経験、外務省やJICAによる依託事業の経験を ふまえ、適宜ゼミ生と相談していく。このような取り組みの結果、これまでの卒業生はこのゼミに大変満足してきた。ゼ ミの先輩の様子や、合宿記録などを含め、以下のサイトを参照されたい。 http://www.world.ryukoku.ac.jp/~fumis96/ |
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