レポートに含まれるべき内容
レポートには以下の項目の内容が含まれること。実際に書く順番は、このとおりでなくてよい。結果をまずはっきりさせ、そこから、問題設定を考え直すやり方もある。方法と対象は、結果とともに先に書きやすいことが普通。序論と考察は、結果をはっきりさせないとうまく書けない。はじめに計画がしっかりしているとなんにつけ書きやすい。
- タイトル 具体的かつ端的に内容をあらわし、かつ魅力的なものをつける。
- 序論
- 調査の目的:テーマとトピックの関連を説明。「〜のために〜を明らかにする」という書き方がよく使われる。この調査が自分にとってだけでなく、他の人々にも意味があると考える理由を説明する。
- 問題設定:トピックとなる問題を一つにしぼって、具体的な事実から深く鋭く論証をするほうがよい。イエスかノーで答えることができる問いにすると分かりやすい。「どんな○○があるだろうか」「どうして××だろうか」では、説得力のある論にはならず、結論が「いろいろある」羅列に終わってしまいがちなので避けるべき。
- 予測:その問題について、どのような答えが予測できるのか、その予測の内容と、予測が成立する理屈を説明する。あらかじめ知っていたり経験したことを根拠とすると予測しやすい。
- 先行研究:これまでにその問題についてはどのような研究があり、なにがわかっているのかを説明。この研究はこれまでの研究とどこが違うのか?
- 対象と方法 いつ、どこで、なにを、どのように調べたのかを説明する。
自分の設定した問題に答えるために、どのような方法を使ったのかを説明する。あなた以外の人が、同じような結果を手に入れるために必要な情報を提供すること。同じ方法を使えば、同じ結果が手に入るという、再現性(あるいは客観性)を保証するため。
- 資料さがし ・学術雑誌、専門書、新聞、雑誌、報告書、ラジオ/テレビ放送など、結果となるべき資料について、どのような具体的資料を、どこで、どれくらい探したか
- フィールドワーク ・いつ、どこへ、なにについて、どれくらい、どのようにして、調べたか。
- アンケート/インタビュー ・どんな質問を、どのような形でおこなったか
・どうやって相手をえらんだか、どんなグループを何人(男女、年齢層の分布など)
- 結果 ・観察や調査分析の結果わかったことを示す。
- 主張や仮説を検討するための材料となる事実を整理して記述する。
- 結果が、問いに対する答えを構成するように、文章や、図表にする。
- 調べた対象は、どこが違うのか同じなのか、パタンがあるか、パタンは何通りに分類できるのか、似ているのか、多様なのか、大きいのか、小さいのか、差があるのか、対応関係があるのか、変化したか、などについて、簡潔にかく。
- 図にした内容は、表にせず、重複はさける。
- 図や表は、それだけで読者が容易にわかるように、十分な説明を加える。
- 考察 ・序論でたてた問題にたいしてこの研究の結果は、どうこたえるのか、を明言する。
- ある主張を、肯定するか、否定するか、または、この結果からは判断できないのか、結論つける
- 「この研究の結果、〜であることが明らかになった。〜である可能性が示唆される。〜であると考えられる。」などの文章になる。
- どれくらいの信頼性で主張するのかを検討。判断に留保がつくならば、その留保の内容について説明をする。論拠が足りないところはどこかを説明する。
- 一般性:この研究の結果から他の調査でも同様な結果が期待できるか?検討する。たとえば、他の集団や社会にも当てはまるか、など。
- 研究の位置づけ:これまでの研究結果とどこが整合するか、また、どこが不整合かを指摘する。そして、不整合が生じる理由は何かを考察する。
- 道徳的な主張やきれいごとは書く必要はない。「〜すべきだと思う」「〜を調べてよかったと思う」式の感想文にしないこと。
- 引用文献リスト ・著者名、発行年、論文タイトル、雑誌名、(著書名、編集者名、出版社)ページ数
- ふつう、著者の姓のアルファベット順、出版年昇順で、リストする。
引用について 以下のレベルを区別して(読者が誤解しないように)自分の意見と他人の意見を区別し出典を明示すること
- 文献からそのまま引用した結果(原文のまま/カギ括弧でくくる/一段下げる)
- 文献の著者の解釈(表現をかえたもの/自分の言葉に置き換える)
- 文献の結果や著者の解釈に自分の分析や解釈を加えて変更した結果
- 謝辞 ・研究で世話になった人や機関の名称をあげて感謝する。
- それぞれの感謝対象が提供してくれた援助の種類(情報、データ解析方法、コメント、移動手段、おいしい食事など)を簡単に説明する。