研究科長メッセージ

現在の世界はさまざまなグローバル化に直面しています。ある場所で起こった出来事は、他の地域の人々に大きな影響を与えるようになりました。各種の出来事を理解しようとするときに、国と国との関係(inter-nationalな関係)だけではとらえきれない問題が多く生じてきています。ですから、新たに文化と文化の関係(inter-culturalな関係)として読み解いていこうとするのが国際文化学のねらいです。とはいえ、この2つの関係は勿論相互排他的なものではありません。このような状況のなかで、本研究科はグローバル化に適切に対応できる人材の育成をめざしています。さらに多様な研究活動を通して発展の途上にある国際文化学という学問分野を新たに切り開いていくことを目標としています。

修士課程の教育では、国際文化学の個別的あるいは総合的な領域における研究を通して、研究能力を養うとともに、広い視野に立って学識を深められるような教育課程を提供しています。また、学部に基礎を置く大学院として、学修の高度化を促進できるような教育内容が整備されています。その結果、自己の文化への理解を基軸としながら異文化を理解し、かつ尊重し、多様な国際的コミュニケーションのできる能力とすぐれた人格を備えた人材を育成しようとしています。

博士後期課程では、自立した研究者として研究活動を行ないうる高度な研究能力の涵養をめざします。また、国際文化学という学問の構築と体系化に貢献できる専門的な研究能力を育成することに加え、その研究能力をさまざまな国際社会・地域社会の場で生かしていくことを目標とします。さらに、研究成果を英語等の外国語によって発信できる日本人の人材とともに、多様な文化を理解し研究する外国人の人材の育成も図ります。

具体的には、従来の比較文化および地域研究を包括しつつも、文化と文化の関わりという視点から新たな知見を構築する作業を進めます。それに基づき、ヨーロッパ、アメリカ、アジア、アフリカなど諸地域における文化の歴史的展開、現在の世界における文化の役割、各地域における社会や文化の変容について、理論的かつ実証的な研究を行います。

国際文化研究科での研究は、幅広く関係する諸領域への正しい理解に加えて、それらを総合的に考察し、独自の視点を提示する洞察力が求められると言えるでしょう。言い換えると、国際文化研究科において望まれる人材像は「T型」ないし、「V型」というふうに表現できるかもしれません。「T」において横に伸びている線は研究の幅広さを、また縦線は深い洞察力を示し、それが「T」という形に結びついているという意味です。「V」も同様で、V字型の連結点がそのような2つの要素の結びつきを示しています。ここで学ぼうとする若い研究者は、それぞれ独自に自分なりの「T」や「V」を形成して欲しいと願っています。

国際文化学研究科長
斎藤 文彦 教授

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