アジア・アフリカ総合研究プログラム

アジア・アフリカ総合研究プログラムは、国際文化学研究科、法学研究科、経済学研究科の3つの研究科が共同で運営する大学院修士課程の共通プログラムです。
大学院生は、それぞれの研究科に所属し、アジア・アフリカ地域研究の専門家を中心とする教員によって提供される共通プログラムを履修します。
プログラムを修了した学生は、所属研究科の修士号(国際文化学修士、法学修士、経済学修士)とプログラム修了証を取得することができます。

人聞重視の大学院教育

龍谷大学は21世紀の大学像として「「共生」(ともいき)をめざすグローカル大学」を掲げ、世界に通用する大学をめざして努カしています。アジア・アフリカ総合研究プログラム(Graduate,Program of Asian African Studies::GPAAS)は、アジア・アフリカ地域研究の分野で、民衆の立場にたった人間重視の教育を提供します。

実績ある教員による指導

龍谷大学には、アジア・アフリカ地域研究に従事している専門家の教員が多数揃っています。アジア・アフリカ地域研究で豊冨な実績を持つ教員がこのプログラムを担当します。

日本の私立大学で唯一のプログラム

グローバル化が進行し、日本とアジア・アフリカの関係が発展するなかで・アジア・アフリカの地域研究に特化した大学院教育の実施が待望されてきました。このプログラムは、日本の私立大学では、アジア・アフリカ地域研究を対象とする、唯一の大学院修士課程のプログラムになります。

地域研究と専門研究の二本柱

プログラム科目はアジア・アフリカ地域に関する地域研究科目と専門分野の総合研究科目の二本柱から構成されています。プログラムの学生は、アジア・アフリカ地域研究についての科目を履修して地域研究を修得し、同時に、専門分野(政治学、経済学、国際文化学)の科目を履修して、政治学、経済学、国際文化学の基礎理論を修得します。こうして地域と専門の研究に強い学生が誕生します。

国際から民際と文化理解の視点ヘ

アジア・アフリカ地域を含めて現代世界の全体像を知ることが大切です。学生は国家と民族、紛争と平和、世界システム、文化交流など多様な事項について学びます。地域研究において文化間コミュニケーションを重視します。国家の関係からなる「国際」の視点とともに、人間の関係からなる「民際」の視点から、現代杜会とりわけアジア・アフリカ地域を研究します。

アフラシア平和開発研究センター

アフラシア平和開発研究センターは、文部科学省学術フロンティア推進事業(AFC)としての助成を受けて取り組む共同研究プロジェクトで、国際文化学研究科所属の教員が多数参画しています。

グローバル化が進展する現代、アジア・アフリカ地域は目覚ましい発展とともに、頻発する武力紛争をかかえています。アフラシア平和開発研究センターでは、「紛争解決と秩序・制度の構築に関する総合研究:アジア・アフリカ研究の地平から」を中心に研究を進めています。全体像を理解するために紛争の平和的解決という問題領域を設定し、地域研究をはじめとする学際的・総合的な研究教育を行っています。これは、龍谷大学の宗教文化研究の伝統、民際学の実績、アジア─アフリカ地域研究の実績、「異文化」理解の実践、内外研究機関との交流、という今までに培った5つの実績をベースとした実践的研究教育です。具体的には、(1)紛争の主体形成(2)環境と資源(3)ネットワークと地域文化(4)貧困と地域開発、という研究フォーカスにしたがって四つの研究班を形成し、研究しています。その成果は、国際シンポジウム・ワークショップ、各班の研究会の開催、ワーキング・ペーパーや成果報告書を通して発表されています。以下がこれまでの成果です。

紛争解決における学際的研究の進展

これまで国際関係論における「紛争解決」理論は、主として欧米的な視点から理解されてきました。しかし本プロジェクトでは、アジア・アフリカ地域に蓄積された「紛争解決」に関する知や価値の掘り起こし、その顕在化を試みています。その理論化によリ、国際関係論へ新たに貢献するとともに、地域研究においては、地域比較や理論化の試みにつながっています。

文化のメカニズム研究の進展

「紛争」の根底にある文化的メカニズムの解明に、地域研究をはじめとする学際的・総合的共同研究の方法をもって取り組み、大きな成果をあげています。特に移民のネットワークとアイデンティティーのあり方から接近し、異なる地域を横断するネットワークの中で生成する文化や、個別の土地や国家に由来する紛争を回避する視点、とりわけ宗教的価値観を解明します。

日本社会研究の進展

外国人と日本人メンバーによる共同研究の結果、本プロジェクトの地域研究は、日本を含む新しい異文化理解の視点を生み、その成果は介護問題に関しても社会的反響を呼んでいます。

新たな視覚からの資源と環境研究

発展途上国の「生存基盤の確保」という点から、アジア・アフリカの水資源、エネルギー問題などをとりあげる斬新なアプローチが形成されつつあります。これにより、単に従来の先進国型の「経済紛争の解決」にとどまらない、総合的な視点からの成果が生まれつつあります。

若手研究者の育成

本プロジェクトに参与する若手研究者は、論文、図書での研究発表や研究会、学会での発表などで活躍し、教育・研究職へ就職しています。また、大学院教育に研究を還元し、授業の一環として本センターの研究会を組み込み、大学院生が直接に研究会の発表や議論に参加できるようにしています。

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