研究科概要

近年、異なった社会集団の持つ文化と文化接触による誤解・摩擦・衝突が地球的な規模で起きています。こうした事象を体系的に研究し、文化の本質を理解し、文化交流を促進し、人類の共存・共栄と世界平和に貢献できる高度な能力を持った人材を育成することは、21世紀におけるわが国、または世界における研究と教育の大きな課題だといえます。本研究科は、グローバリゼーションという大きな社会変化の内容を適切に把握・理解・対応できる人材の育成をめざしています。さらに多様な研究活動を通して発展途上にある国際文化学という学問分野を新たに切り開いていくことも目標としています。

修士課程の教育は、国際文化学の新分野の領域を含めた研究により、研究能力または専門性を必要とする職業になくてはならない高度な能力を養うとともに、広い視野に立って学識を深められるような教育課程を提供しています。また、学部に基礎を置く大学院として、学修の高度化を促進できる教育内容が整備されています。その結果、自己の文化への理解を基軸としながら異文化を理解し、かつ尊重し、多様な国際的コミュニケーションのできる能力と優れた人格を備えた人材を育成しようとしています。

具体的には、従来の比較文化および地域研究を包括し、新たに国際文化学を構築する作業を進めています。それに基づいてヨーロッパ、アメリカ、アジア、アフリカなどの諸地域における文化の歴史的展開、現在の世界におけるその文化の役割、またこれらの地域における社会変化の動向とそれを反映して起こっている文化の変容など、幅広い調査研究を進めていく努力をしています。さらに、各地域内、また地域と地域の間における文化交流に関する詳しい歴史ならびに現状の研究と、それに基づいた政治、経済、その他の局面における文化理解と文化交流を促進するのに必要な専門知識を修得するための実践教育を行っています。こうした教育・研究課程を通して、自己の文化を理解しながら異文化をも尊重し、国際的コミュニケーションのできる優れた人材の育成をめざしています。

博士後期課程は、将来、学生が研究者として自立して研究活動を行い得る高度な研究能力およびその基礎となる豊かな学識を養うという博士後期課程の目的を果たそうとしています。また、国際文化学という学問の構築と体系化に貢献できる専門的な研究能力を持った研究者を育成するだけでなく、その研究能力を高等教育や国際社会・地域社会の場で生かせる研究者、および国際的専門家を養成することをめざしています。さらに、研究成果等を英語を中心とした外国語により発信できる人材を育てること、多様な文化を深く理解し、研究する外国人の人材育成もめざしています。

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