活躍する修了生

2015年

植山 葵さん 2014年度修了生 

現在の勤務先または通学先:
バンドン外国語大学日本語学科(インドネシア)

植山 葵さん

前列右から2人目が植山さん

大学で学んだことで、現在の職業または研究に生かされていること

日本語教師を目指すにあたり、豊かな国際的視野と教養を身につけるため、国際文化学研究科に進学しました。私の研究は、日本文学としての怪談と中国の怪談を比較し、日本の幽霊の姿を通して日本の文化とはどのようなものかを探る、というものでした。日本語教育には直接関係はありませんが、日本の文化としての怪談と言語を留学生に伝えたいという最終目的がありました。
大学院は人数もさほど多くないため、様々な国籍の学生たちとともに切磋琢磨し合いながら勉強することができ、有意義な時間を過ごすことが出来ました。大学院生の研究テーマは本当に多様で、コアセミナーなどの研究報告の機会では多くの分野の話を聞くことができ、それもまた面白いです。
今はインドネシアの大学で日本語を教えています。国際文化学という、答えが簡単には出にくい学問において、様々な国の人と様々な意見を毎日交わしたことは、海外生活で文化の摩擦などで行き詰まった時にも役に立っています。

受験生へのメッセージ

大学院は学部とは違い、いろんな意味で非常に濃い時間が過ごせるところです。私にとって大学院で過ごした2年間は、大変だったことも含めて、一生忘れられない時間となりました。先生方とも、学部の時とは全く違った接し方ができますし、学べることも何倍にも増えます。日本語教師になりたい人も多いと思いますが、修士号があるとたくさんのチャンスにもつながりますよ。

2015年

林 則仁さん 2009年修了 2012年博士号取得 

現在の勤務先または通学先:龍谷大学国際学部 専任講師

林 則仁さん

ロンドンV&A美術館での講義風景

2007年に博士後期課程へ入学をしました。それ以前は、ロンドン大学SOASで日本では学ぶ機会がほとんどないイスラーム地域の美術史を専攻し、将来は日本でイスラーム美術の美しさを発信して行きたいと考えていました。ロンドン大学では大学院修士課程まで終えて帰国しましたが、やはり博士課程に進学したいと思い、日本でイスラーム美術史の学べる数少ない研究科である龍谷大学国際文化学研究科への進学を決めました。龍谷大学はシルクロードや仏教美術の研究が盛んなため、イスラームだけでなくアジアの芸術文化全般においてそれぞれの分野の研究をリードしている方々がいるということはおおきな魅力でした。
博士後期課程に入学後は、指導教員の先生とイスラーム美術史やイランの書誌文献学を専門とされている学外の先生方を交えて絵画論のペルシア語文献などを講読し、自身の博士論文のテーマをより深く掘り下げて議論する機会を得ました。それから、奨学金を得て国外での長期間のフィールドワークを行えたことは、論文執筆に必要な調査をとてもスムーズなものにしました。また、博士課程在学中はとにかく積極的に学会発表や論文投稿を行い、研究者としての基礎能力を養う時間を十分に得られたことが今の活動に結びついています。
学際的である国際文化学研究科では、教員たちの専門分野が幅広く、また多国籍でもあるため、視野の広い国際的なセンスを持った研究者を目指す方には最良の学びの場だと考えます。

松尾 隆司さん 2007年度修了

現在の勤務先または通学先:滋賀県多文化共生まちづくり支援センター

大学で学んだことで、現在の職業または研究に生かされていること

大学や大学院では、日本で暮らす南米出身日系人労働者とその家族に焦点をあてた研究や調査を行ってきました。「労働力」のみの存在と見られることが多い外国人労働者も、日本の中で一人の人間として生活しています。そうした彼らたちの権利や保障について研究調査してきました。現在は、大学院で研究調査をしてきた知識や経験を生かして、滋賀県における多文化共生に向けた取り組みや支援を行うセンターで勤務をしています。

受験生へのメッセージ

大学では、将来の自分のライフワークや職となるようなものに出会えることが多くあります。その出会いのために、どのようなことにも好奇心を持ち、積極性を持って行動してほしいと思います。きっと大学生活だけではない、将来にも続くようなものに出会えると思います。

2015年

上野 貴子さん 2003年度修了

現在の勤務先または通学先
和文名:JICAチュニジア事務所 企画調査員(産業振興)
英文名:JICA Tunisia Office Project Formulation Adviser

上野 貴子さん

大学で学んだことで、現在の職業または研究に生かされていること

国際文化学研究科では民族植物学のゼミに在籍し、ネパールの少数民族を対象に1年間村落にてフィールドワークを行いました。
研究科修了後は青年海外協力隊に参加しアフリカ村落開発普及員、民間の助成財団にて東南アジアの社会開発プロジェクトコーディネーター、インドの日本大使館での草の根無償資金協力担当を経て、JICAガーナ事務所、チュニジア事務所にて企画調査員として、民間セクター開発に従事しました。近年では日本企業の海外進出が進み、新興国を市場とした貿易投資促進やBOPビジネスなど民間企業の社会開発分野への関心が高まっています。またカイゼンといった日本の製造業で培われたマネージメント手法も途上国では導入されています。
案件形成や事業のモニタリング時には、現場訪問やカウンターパートとの協議や調整を多く行いますが、常に相手の目線に立って話を聞く姿勢が求められます。バッググラウンドが異なる人が集まる国際協力の世界では必ずしも自分が考えていることが正解ではなく柔軟性が大切です。自分の立ち位置を示しつつも、相手の懐にも入っていける力が必要です。
院生時代のフィールドワークで培った現場経験や多様性を受容する視点が現在の私の職業の糧になっています。国際文化学科で学んだ常に議論する姿勢や自分で考えて行動する精神が役立っています。

受験生へのメッセージ

国際文化学研究科は自分の探究心を試す現場です。失敗を恐れず関心ある分野に飛び込んでください。心強い教授陣やスタッフがサポートしてくださいます。人生の種まきの時間を十分に与えてくれる環境です。多様な人や文化に触れ世界中によき人脈を作って自身の可能性を最大限に広げてください。修了後、たっぷり水をやれば大きく花が咲くことでしょう。

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