概要

より深く世界とコミュニケートし、
新しい国際理解の扉をひらく

現在、社会の国際化は日増しに進展し、同時に世界全体が大きな転換期を迎えています。政治・経済はもちろん、生活レベルにおいても、グローバリゼーションに対する理解認識は徐々に深まってきていますが、「人類はイデオロギー対立の時代を終えたが、新たに民族と宗教を中心とした文化対立の時代に入った」という見方もあるように、今また多くの新しい課題が提起されつつあります。国と国との間のみならず、宗教と宗教、民族と民族、地域と地域、組織と組織といった様々な社会集団の接触や交流が、国境を越えてますます盛んになってゆく国際化社会。そこでは互いを真に理解し合った上での新しい国際文化交流が求められています。

本学が開設する《国際文化学研究科》は、国際文化学部という礎の上に、現代社会の要請に対してより実践的に対応しうる研究を展開し、多様なレベルの課題解決にあたりうる人材の育成を目指します。

また、国際文化学研究科では、カリキュラム内に「エリアスタディーズ」「グローバルスタディーズ」「日本研究」「言語・教育」という4つの科目群を設け、多様化する国際社会で活躍できる人材を育成します。

国際文化学研究科カリキュラム

エリア
スタディーズ
東アジアや南アジア、中東、アフリカ、欧米など、世界各地の文化事象や文化交流について研究する。
グローバル
スタディーズ
グローバル化とともに変容する文化や思想、政治や経済、持続可能な社会構築について研究する。
日本研究 日本の伝統的な芸能や芸術、宗教から現代日本の社会や大衆文化など、日本固有の文化と世界の中の日本について研究する。
言語・教育 国際社会における言語とアイデンティティ、言語教育や言語政策、世界の教育改革について研究する。

現代社会のグローバリゼーションにおける諸課題に密接な関連を持つ研究を展開。実践的な人材を育成します。

より深い異文化理解へ、学部・大学院一貫体制

本学の国際文化学部は、異文化理解を通じて様々な民族、社会集団、国家の共存のあり方を考える人材の育成を目的として、1996年に開設されました。本学部では開設当初より、さらに高度な国際文化学の研究を推進し、深い異文化理解の上に立って国際社会に貢献できる人材の育成が急務であり、かつ社会的要請でもあると考えてきました。このため、学部と大学院の一貫教育体制の樹立を前提とし、大学院教育をも担当しうる教授陣を揃えてきました。多彩な専門研究分野を持つ本学部の教授陣は、世界を舞台として幅広い研究活動を行っており、その研究成果は国際文化学研究科の教育に、実際の研究の場からのフィードバックとして有機的に組み込まれていきます。

地域社会から、日本のグローバリゼーションへ

いまや国家レベルにとどまらず、地域社会のレベルでもグローバリゼーションへの対応は急務となっています。本学の国際文化学研究科はそのような認識のもと、滋賀県大津市に設置されています。大津市においては、姉妹都市交流、交換留学、スポーツ・芸術振興活動など、海外との文化交流を通じて市民の国際意識が高まっています。また地元企業における海外からの就労者の増加も著しく、従来のように県や市の国際交流課にとどまらず、自治体の多くの部署において、また企業において、「国際文化」に通じた人材がますます必要とされています。本研究科はこうした地域社会の要請に応えうる人材を育成・輩出していくという責務も帯びており、地域社会からの日本のグローバリゼーションに寄与していくことが使命と考えます。このようなスタンスから、さらに広く、多国籍企業、官公庁、国際機関、NGOなどからの人材需要にも応えていくことができると考えています。

理論から実践へ、専門的職業人の育成

本研究科は、国際文化学の確立とさらなる発展を進める研究者を養成するとともに、広く世界的な視野を持って国際舞台で活躍できる高度な専門知識を身につけた職業人の育成をも目指しています。専門的研究活動と実践的職業活動とが分かち難く結びつく点にこそ、国際文化学の特色があると考え、研究と実践が深く関わり合いながら展開していくカリキュラムを用意しています。世界各地の社会における文化の歴史的発展に深い理解を持ち、それぞれの文化の特徴や文化間の交流・接触の様相を踏まえた上で、政治・経済・産業など多様な専門分野において柔軟かつ適切な判断を行い、国際社会に貢献できる人材を育成します。そして実践からまた豊かな理論研究へと結びつけることができる柔軟な姿勢を持つことが新しい時代に対応する国際文化学の特質である、と我々は考えています。

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