
グローバル化が加速し、海外にも日本人の活躍の場はますます広がっています。
本学部にも、海外で働くことを視野に入れた学生は少なくありません。
そんな学生に向けて、本学部では「海外キャリア実践Ⅰ・II」を開講しています。
海外での職業体験を通して将来の働き方を考える、グローバルなプログラムです。
岩城 充祐さん
3年生(静岡県立伊豆中央高等学校 出身)
私の夢は、将来海外に住みキャリアを積むことです。この夢の実現のために大学2年の後期に、南カリフォルニア大学への提携留学に参加しましたが、残念ながら後悔が残る結果となってしまいました。というのも、同じ大学の仲間や他大学の日本人留学生と一緒にいる時間が長く、その環境に甘えてしまったため、語学能力が期待していたほど向上しなかったのです。そうした経緯もあり、次に海外で勉強できる機会があれば、自分一人で挑みたいとの思いに至りました。そんな中で知ったのが、「海外キャリア実践Ⅰ・II」の存在です。「少人数で海外企業のインターンシップに参加できる」と聞き、迷わずこの授業を受けました。担当の中根先生は、私が将来的に海外で働きたいと考えていることを知っていたので、私の考えや計画を否定せず、この機会を絶対に無駄にしないようにと常に背中を押してくださいました。滞在場所の確保や履歴書の書き方、海外で働くためのスキルなど、実務的なことまで教えていただき、本当に感謝しています。大学のサポートも大きく、奨学金や留学サポート奨励金の給付も本当に助かりました。
インターンシップ先を決めるにあたり、私の希望は、英語圏の国で単独での参加が可能ということのみ。企業へのこだわりはありませんでした。さまざまな国のインターンシップ先を検討した結果、最終的に選んだのが、キッザニアロンドンです。インターンシップの準備として、事前に日本のキッザニア甲子園で3週間の事前研修を受けました。事前研修ではキッザニアのコンセプトを学んだ後、お客さまに接する現場に配属され、ロールプレイングの方法や子どもや保護者への接し方などを実践的に学びました。時間配分や子どもへの寄り添い方など、実際に経験してみなければわからないスキルが多く、正直焦りやプレッシャーを感じていました。しかし終えてみると、3週間という短い期間ながら、仕事をするうえでの気配りや思いやりなど、得るものがたくさんありました。
キッザニアロンドンで働いてもっとも印象的だったのは、従業員一人ひとりが主体性をもち、コンセプトや事業方針を尊重して自分の仕事をしていることでした。決められたルールの中で自分が最善だと思う方法で業務を行い、上司も彼らの意見を尊重しています。何もかも指示通り遂行するのではなく、自分で考えベストを導き出す思考は、海外で働く未来に向けて、見習うべきだと強く感じました。一方で大変だったのは、やはり言語の違いです。英語しか通用しない現地では、お客さまに対しても同僚に対してもことばの壁にしばしば悩まされました。これまでに英語力の向上に最善を尽くしてきたつもりでしたが、相手の言っていることを聞き取れても、自分の意思を相手にうまく伝えられません。何度も言い直した結果、相手に察してもらうことも多々ありました。接客以外の業務は積極的に実行することができたので充実していましたが、自分に英語力があればもっと会話を楽しめたはずですし、同僚とももっと仲良くなれたでしょう。語学はもちろん、コミュニケーションの取り方についても深く考えさせられる経験でした。
今回のインターンシップを通して、自分でもさまざまな成長を感じています。人との接し方やコミュニケーションのあり方を見直し、相手の思いを汲み取って発言できるようになりました。一番はなんといっても、語学学修への意欲でしょう。ロンドンで悔しい思いをした分、今後はより英語力を向上させ、海外で働くようになっても困らない力をつけたいと思っています。
グローバルスタディーズ学科は、1セメスター以上の留学※を必修にしており、提携留学は、現地の一般学生と机を並べる「正規専門科目留学」をめざします。滞在先はホームステイやキャンパス内の学生寮を予定しており、大学生同士の交流も自然に行われる環境です。提携留学先は、学科の専任教員が個別に交渉し選定しているので、留学中の教育内容などもしっかりと把握、多様性にあふれた大学から選択可能です。また、選択科目として「海外キャリア実践Ⅰ・II」という科目を設置しており、留学後に海外でインターンシップに挑戦することも可能です。
※留学先により異なりますが、現地での授業は15週間程度となります。
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向学心旺盛な若者が世界中から集うことで知られる、カリフォルニア大学バークレー校。
本学グローバルスタディーズ学科からの留学生は、現地学生と一緒に、バークレー校の正規科目を英語で学修できます。
語学力はもちろん最先端の知識も修得しながら、国際交流ができるプログラムです。
山崎 茉也さん
グローバルスタディーズ学科 2年生(兵庫県立芦屋国際中等教育学校 出身)
グローバルスタディーズ学科は1セメスター以上の留学が必須ですが、もともと英語を使ってさまざまな国の人と関わりたかったので、カリフォルニア大学バークレー校で正規科目を受講できるプログラムは渡りに船でした。私が受けた授業は、国際問題を考察する“Critical Issues in Global Studies”や、ブロードウェイミュージカルを見てアメリカ文化を知る“English learning through Broadway Musicals”などです。特に”Psychology of Personality”と”Emotional Intelligence”は、心理学に強い同校ならではの面白い内容で、その分野に興味を抱く入口となりました。
留学先で驚いたのは、「知」へのモチベーションの高さです。学生は積極的に質問や発言をし、授業を自分たちでつくっている雰囲気でした。先生方も教育熱心でレポートやリーディングの宿題をこなすのは大変でしたが、図書館やカフェが充実しているのでそれらを利用して学業に取り組みました。自然豊かでサンフランシスコに近いなど、気分転換しやすい土地柄もありがたかったです。そのような環境で過ごすうち勉強が楽しくなり、明確な目標をもって学ぶ学友からはたくさんのインスピレーションを受けました。
留学で学んだことは3つあります。1つ目は、自分に合った道を選ぶ。選択科目の内容が難しく科目を変更して落ち込んだとき、友人から「君は方向を変えただけさ」と励まされ、自分を大事にするようになりました。2つ目は、他人と比べない。多様なルーツのある人と触れ合うなかで、自分もありのままでいようと前向きになれました。3つ目は、人への感謝です。夢を語らい、励まし合い、支えてくれた人たちがいたからこそ、笑顔で留学を締めくくれました。これら3つの学びは一生の宝物です。留学体験を糧に、将来は日本と海外をつなぐ架け橋になりたいです。
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尖 捺嬉さん
グローバルスタディーズ学科 4年生(大阪府 樟蔭高等学校 出身)
現在世界は、気候変動や貧困、海面上昇など数々の問題に直面しています。これらのグローバルイシューを解決するために、私に何ができるのか。そう考えるうちにSDGs(持続可能な開発目標)に関心をもつようになり、斎藤ゼミへの所属を決めました。
本ゼミでは、自分の考えを説明・共有するプロセスを重視しており、課題図書の精読のほか、ディベート、ディスカッション、発表を主に行っています。学外の活動もゼミの一環であり、前回は徳島県上勝町でフィールドワークを実施しました。上勝町は「ゼロ・ウェイスト」の町として知られており、ごみをゼロにするためにさまざまな取り組みが行われていました。SDGsの好事例を目の当たりにしたことは、私にとって意義深い経験となりました。
卒業研究は「家畜産業から排出される温室効果ガス削減について」をテーマとします。牛などの反芻動物のげっぷには、温室効果ガスであるメタンが含まれており、その排出量の削減が畜産業において大きな課題となっています。この問題の探究によって、地球温暖化だけでなく、温暖化と密接に関連する世界の諸問題にもアプローチできる方法を見つけられるかもしれません。グローバルイシューの解決に寄与しうる研究と位置づけ、考察を深めていきたいと思います。
私はゼミをとおして、自らの考えをわかりやすく説明する力、表現する力が大きく向上しました。初めの頃は自分の意見をうまく伝えられなかったものの、ディスカッションや発表によって鍛えられ、思いを言語化できるようになりました。国際問題に対して当事者意識をもち、解決策を考える姿勢が培われたのもゼミ活動の賜物です。これまで積み重ねてきた学びは、今後も私の成長の糧となるに違いありません。